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日刊建設工業新聞
2025/08/12

【鳥取】予算枠拡大が急務/加速度的に減少傾向進む/建設コンサルの受注件数

 建設コンサルタント業界の受注件数が減少傾向にある。コンサル業界が疲弊すれば、数年後に工事関係者にしわ寄せが及ぶことは目に見える。それだけに、今月5日に開かれた県測量設計業協会(大西幸人会長)と県土整備部の意見交換会で、大西会長が「人材確保や賃上げ、社の技術力を上げるためには一定の受注件数の確保が必要」と話し、予算枠の増大を熱く要望した(2面に関連特集)。
 本紙では過去5年間の県の発注傾向をまとめた。
 2020年度から24年度までの5年間の県との契約状況=グラフ=を見ると、4業種(土木関係建設コン、補償関係コン、地質調査業務、測量業務)の件数は685件(20年度)、637件(21年度)、529件(22年度)、577件(23年度)、486件(24年度)。
特に昨年度は500件を切る結果に。23年度は、8月に発生した豪雨災害により受注件数が上がったが災害関連を除くと、右肩下がりとなった。
 業種別では、最も顕著な減少を示したのが「土木関係建設コン」。5年前と比較すると135件減少した。次に補償業務。22年度からは100件を切りここ3年間は80件台となっている。そのほか、測量業務は減少傾向、地質調査業務はほぼ横ばい。
 22年度から24年度過去3年間の各所局を見ると、▼鳥取県土は137件(22年度)、169件(23年度)、105件(24年度)▼八頭県土は53件、75件、68件▼中部県土は122件、107件、85件▼米子県土は115件、115件、89件▼日野県土は54件、66件、95件―となった。日野県土整備局以外では減少傾向にあり、特に差が出たのが鳥取県土、中部県土、米子県土。中部県土と米子県土に至っては24年度は100件を切り80件台となった。
 件数から見ても受注金額の減少は明らか。22年度、23年度は50億円台だったが24年度は40億円台に。予算枠も減少傾向の中、一般管理費が上昇し件数の減が加速度的になっている。
 大西会長は「6月に閣議決定された『第1次国土強靱化実施中期計画』に期待する」と話す。同協会は今年5月に国へ要望。官民一体となって予算枠拡大を望んでおり、発注者の動向、そして事業量の確保に注目している。

日刊建設工業新聞