【岡山市北区】イオンモール(千葉市美浜区中瀬1ノ5ノ17)は、日清製粉グループ(東京都千代田区神田錦町1ノ25)が所有する岡山市北区下石井の日清製粉岡山工場用地を取得する売買契約を締結したことを8月1日に公表した。用地は、既存工場施設の解体工事を日清製粉グループ企業の日清エンジニアリング(東京都中央区)が9月中に着工し、2026年9月に解体工事を完了させ引き渡しを行う予定。解体工事は、岡山の地元企業を下請け企業とする可能性もあるという。イオンモールは、具体的な跡地開発は明らかにしていないが、岡山駅付近の既存「イオンモール岡山」店舗も含めた拠点性を高める開発を目指す方針としている。
岡山工場は、岡山市北区下石井1ノ3ノ16の敷地約2万2000平方bに7階建て工場棟の他、小麦粉サイロや低層棟など複数の建築物があり、総建築面積1万0448平方b、総延べ床面積1万5419平方bの現状規模がある。解体工期は約1年間を要する予定。
敷地の用途地域は、商業地域のため建ぺい率80%、容積率400%が適用される。建設可能な建物規模は、用途地域限度枠内では単純計算でも延べ床面積8万8000平方b程度が可能とみられる。
日清製粉側では、用地買収契約に際して、イオンモール側の提案内容が岡山の地元のまちづくりに貢献する開発になると判断し契約締結を決めたという。
一方、イオンモール側では、開発内容の方向性など現時点では明らかにしていないが、都市型事業として展開するオーパ、ビブレ、フォーラスなどの都市型商業店舗展開や、新たなビジネスモデルとして複合開発機能の充実などに取り組んでいる。
複合開発では、マンション事業などを得意とするマリモ(広島市西区)と23年3月に資本提携。商業施設と住宅・不動産開発を連携した「地域共創」の実現を目指し、その第一弾共創プロジェクトとして、広島市阿佐南区祇園では「イオンモール広島祇園」敷地内に分譲マンションを建設。地域コミュニティー醸成や住まいと利便性の融合など地域課題解決のためのまちづくりを具体化している。
中四国最大規模のフラッグシップ店舗「イオンモール岡山」の西側で新たに取得した大規模用地の開発は、JR岡山駅付近の中心市街地という好立地だけに、イオンモールが行う今後の具体的な開発の行方が注目される。
なお、岡山工場の7月閉鎖は、日清製粉グループが新設した水島工場に岡山と坂出の両工場機能を統合したためで、9月閉鎖の坂出工場跡地の動向については現時点では未定としている。
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提供:建通新聞社」