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建設経済新聞社
2025/08/20

【京都】宇治の南部市場に「中食」開発拠点 基本計画時の工事費は6億円超 改修対象面積は約953u

 京都府は、京都フードテック基本構想に掲げる研究開発に関する3拠点の一つとして、宇治市伊勢田町の京都府南部総合地方卸売市場(南部市場)の関連棟を一部改修し、「中食」の開発拠点の京都府プレミアム中食オープンイノベーションラボ(OIL)を整備する。
 府は令和5年9月開札で南部市場オープンイノベーションラボ整備基本計画策定業務について、莫設計同人(京都市中京区)に決定し進め、5年度に策定した。6年度の調整を踏まえ、7年度は設計に着手する。
 基本計画によると、南部市場(宇治市伊勢田町西遊田90−1)の関連棟(S造2階建、延1万1455・39u/昭和62年2月築)について、所有者の葛椏s総合食品センターから府が一部(1階)を賃借しOILを整備する。
 OILは、独立研究室やコワーキングラボ、コワーキングキッチン等を含む未来の食を研究する食関連産業・学・公の連携拠点として、食品の健康機能性や加工・保存技術研究を行う施設とする。
 整備コンセプトは、@高機能性「中食」の研究開発A地域の企業やグループによる加工品開発B食をテーマとした交流会など地域イベントによる賑わい創出。
 改修方針では、壁や天井に老朽化がみられるため、内装は撤去し新しくする。配管等は全て更新。OIL整備にあたり新たに空調設備を設置するため、断熱材を壁・天井に施す。コンクリートの間仕切り壁は撤去、間仕切り壁先端の鉄骨の細い柱や上部の鉄骨フレームは残す。
 市場部分の一部にOILに整備するため、外から見て分かりやすいようOIL部分を木目調の縦格子で覆う計画。和テイストで親しみやすい雰囲気とする。
 事業費は6億6655万6000円(税込)を見込む。内訳(税込)は工事費計6億1865万円(解体工事費1億3699万7000円、改修建築工事費2億4094万5000円、改修設備工事費2億2291万3000円、外構工事費1779万5000円)のほか、厨房機器(イベントスペース)1100万円、設計費(基本設計・実施設計・積算・申請手間含む)3669万6000円、申請手数料(計画通知)2万1000円。
 令和6年度の調整による変更点として、市場関係者からの要望(▽セリ場から関連棟への通路の確保▽市場の動線とラボ利用者の動線の分離等)を踏まえ、整備場所を調整。基本計画時の改修対象面積は1479uだったが、令和6年度の調整で改修対象面積は953・2uに変更した。
 各室の機能を「研究」「試作」「交流」の3つに分類し配置する。[研究]は▽独立研究室(府)▽独立研究室(民間企業等)▽コワーキングラボ、[試作]▽コワーキングキッチン▽独立コワーキングキッチン▽冷凍・冷蔵庫、資材保管庫▽加工品試作室▽粉砕室▽乾燥室▽下処理室▽機器室▽検品室▽手洗い・更衣室、[交流]▽テナント・大▽テナント・中▽テナント・小▽コワーキングカフェ(イベントスペース)▽相談室1▽相談室2▽会議室のほか、通路・トイレ等。
 府は8月18日、基本・実施設計業務を指名競争入札で通知。9月4日に開札し、担当業者を決める。履行期間は令和8年3月25日。