東北地方整備局仙台港湾空港技術調査事務所は、船川港本港地区・−10m岸壁の改良に関し、船川港本港地区岸壁機能強化検討業務を日本港湾コンサルタント・沿岸技術研究センター設計共同体に委託した。供用しながら耐震化を図るため、大日本ダイヤコンサルタントが進めている土質調査の結果を踏まえつつ、構造を検討し設計をまとめる。最短で8年度の事業化を見据え、事業規模把握のため工期や概算工事費なども算出する。
計画は、6年元日に発生した能登半島地震を受け、船川港本港地区の−10m岸壁(L185m・15,000t)を耐震化するもの。同岸壁は建設から50年以上が経過。能登と同様、半島となっている男鹿エリアは、地震で被災した場合に陸路が寸断される可能性があるため、耐震強化を行い、災害時における緊急物資の海上輸送拠点として利用できるよう備える。
検討業務では構造諸元の検討・決定、安定性の照査、気候変動適応策の決定などを実施。耐震化に向けた設計と計画を8年3月19日までにまとめる。設計に必要な土質調査は、10月17日の履行期限で推進中。
−10m岸壁はJR男鹿駅から南側約1kmの位置にあり、隣接する−8m岸壁(L145m・7,000t)の2バースはクルーズ船が寄港する岸壁としても利用している。昨年8月に改訂された船川港港湾計画では、「地域の基幹産業の支援拠点形成」「半島地域での防災・減災機能確保」「風力発電の設置・維持管理拠点の形成」「観光需要への対応」「住民が楽しめる親水空間の確保」を整備方針とし、新規計画として岸壁の改良や本港第五船だまり新設などを追加している。
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秋田建設工業新聞社