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建通新聞社(神奈川)
2025/08/21

【神奈川】県 県民ホールは大・中規模二つのホールを想定

 神奈川県は8月6日、第4回県民ホール本館再整備基本構想策定委員会を開催し、施設内に大・中規模二つのホールの整備を想定していることを明らかにした。施設整備のたたき台を提示し、必要な機能として客席2200席程度の大ホールと1000席程度の中ホール、ギャラリーや練習室、アトリエ、オープンロビーなどを挙げた。敷地面積や予算には限りがあるため、必要性の高いものから優先順位を付けて検討していく。
 県が提示したたたき台によると、「第1ホールエリア」は本格的なオペラ、バレエの公演を想定する2000〜2400席のホール、楽屋やリハーサル室を設ける。現施設の大ホールは2493席あるが、バリアフリーの観点から通路や席のゆとりを確保した場合には、席数が減少する可能性が高いとした。
 「第2ホールエリア」は800〜1000席のホール、楽屋やリハーサル室を設ける。大ホールが1000席に満たないイベントに利用される事例もあったことから、中規模のイベントでホールを利用する団体の受け皿として、中ホールを置くのが望ましいとした。現施設には大ホール以外に433席の小ホールがあり、舞台にはパイプオルガンを備えている。
 客席数については、現在の大ホールと同等の数を維持してほしいという声もある。委員からは「第1ホールは国内外の芸術団体が利用する施設、第2ホールは県民の文化芸術活動のための施設として位置付けを明確にすべきだ」と指摘があった。「第2ホール規模の施設は県内、横浜市内にある」「県民向けのホールとして第2ホールはキャパシティを落としてもいいのではないか」という意見もあった。
 美術展などを開催していた「ギャラリーエリア」は舞台芸術や音楽の演奏も前提として、広さの異なる部屋を3室(予備調査では300〜500平方b程度)配置する。「創造支援エリア」は練習室や映像や衣装などの製作工房、アトリエ、「交流エリア」はカフェやレストラン、休憩スペースなど気軽に立ち寄ることができるオープンスペースを想定する。
 敷地面積や建物高さ、予算は限られており、さらにバリアフリー法に準じたスペースを確保することを踏まえると、機能の優先順位が論点となる。第5回の委員会でも施設整備の議論を続ける予定だ。

提供:建通新聞社