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建通新聞社(神奈川)
2025/08/26

【神奈川】県 河内川と葛川で台風10号被害踏まえ浸水対策

 神奈川県は、2024年8月の台風10号で河川の氾濫が発生した河内川と葛川について、浸水被害を軽減するための対策をまとめた。河内川を含む金目川水系、葛川水系の流域治水プロジェクトを更新し、河道拡幅や流域市町との内水被害の軽減に向けた検討など、二つの河川に特化した対策をそれぞれ追加した。県と流域市町で構成する流域治水協議会に「浸水被害対策検討部会」を設置し、内容を整理した。
 平塚市内を流れる河内川では台風10号の大雨で河川の水が溢れ、浸水被害が発生した。河内川を含む金目川水系では県と流域の4市2町などで流域治水プロジェクトを推進してきたが、河内川の被害を踏まえて部会を発足し、氾濫を防ぐための対策をまとめた。
 河内川のうち県が管理する二級河川区間の延長は約2・5`。河川が氾濫した地区では今回の台風以前から段階的に進めていた河道拡幅を継続する。平塚市徳延の下川原橋から万年橋までの延長約600bにわたって拡幅を予定しており、右岸側の一部区間では護岸の整備や人道橋の架け替えが完了するなど事業が進んでいる。この他、平塚市が徳延・河内地区への雨水枡の増設などを行う。
 今後は河内川の全区間について、22年度に策定した金目川水系の河川整備計画に定めた対策の実現を目指す。平塚市と連携しながら、内水被害の軽減に向けた検討も進める。
 二宮町を流れる葛川では広範囲で浸水被害が発生。葛川水系では県と2市3町で流域治水プロジェクトを推進してきたが、河内川と同様に部会を立ち上げて対策をまとめた。
 葛川のうち二級河川区間の延長は約5・7`。二宮町二宮の新田橋付近から大応寺橋までの延長約700bにわたって河床掘削や拡幅などを進める。このうち新田橋付近から内輪橋までの約300bの区間では25年度から河床掘削工事、内輪橋から大応寺橋までの約400bの区間では用地取得を進めながら、護岸の整備と拡幅を行う。
 新田橋の下流側にはJR東海道本線の橋梁があり拡幅ができないため、時間雨量50_を満たさない暫定改修となる。今後はJRの橋梁部も含めて時間雨量50_対応を目指すが、具体的な検討には至っていない。
 この他、二宮町が既存の防災調整池の出水期前の浚渫を行う。二宮町と中井町、秦野市とともに流域対策の強化に向けた検討も進める。
 河内川と葛川は、台風10号で浸水被害が発生した河川の中でも浸水エリアが大きかった。二つの河川以外に被害があった大根川、渋田川、不動川についても部会を設置し、対策を検討している。

提供:建通新聞社