県建設業協会(山根敏樹会長)は21日、県土整備部(吉野睦部長)と懇談し、工事書類の簡素化や現場の生産性向上について意見を交わした。書類簡素化に向けては、県が昨年度から工事検査・書類・入札制度の「三位一体」で見直しを進めているが、現段階で具体案は示されなかった。工事検査課は、工事成績評定要領の改訂内容に踏み込まず、ある程度整理ができた段階で協会に示すと説明した。
工事検査課と技術企画課が県土総務課を交え取り組む「三位一体」改革では、検査課が「書類の多さを意識しながら、評定の見直し作業をやっている」と説明。仕様書との絡みがあり、技術企画課と協議している状況を伝えた。また、県土総務課は評価点の見直しを踏まえ、入札制度の変更を考えていると続けた。
協会側は改訂内容の方向性に説明を求め、来年度からの見直しに向けては「時間はない」と追及した。検査課は「技術者の負担になる部分を減らせるよう工夫して、全体で書類が減る方向になる」と説明。改訂内容については出先機関の意見も聞いた上で協会に提示するとし、具体的な中身や時期の言及は避けた。
また、現場の生産性向上では、協会が人手不足を背景に、省人化や工期短縮につながる2次製品の変更協議に応じるよう要請。県は歩車道境界ブロックにエプロン付き2次製品の使用を標準化していると答えたほか、小口止も2次製品が標準使用できないか検討する考えを示した。
このほか、協会は建設業のイメージアップだけでは人材確保はできず、「大きな改革が必要」と指摘。例として熱中症対策で夏場の作業内容を軽減する仕組みなどを求めた。
鳥取市内で開かれた会合には、建協会の正副会長をはじめ各地区会長、県土整備部の部次長、局長、会計管理部の工事検査課長ら20人あまりが出席。冒頭、山根会長は「より良い業界にするため、共に協議して課題を解決し、県民から信頼される業界に発展するよう力を貸してほしい」とあいさつ。吉野部長は「より良い業界には同意見。建設業が地域経済に貢献し、地域全体が豊かになるためには、基礎的なインフラ整備が不可欠」と応じた。
日刊建設工業新聞