日本建設業連合会北陸支部の市民現場見学会(富山・石川地区)は25日、南砺市利賀村地先で進む利賀ダム建設事業の工事現場などで、金沢大大学院生の1、2年生12人を対象に開かれた。
担い手確保・育成を目的に北陸地方整備局利賀ダム工事事務所の協力を得て実施した。
はじめに砺波市のとなみ散居村ミュージアムで、若手技術者らとの意見交換会が行われた。
主要工事である「押場地区貯水池法面対策(第1期)工事」(施工=大成建設・東急建設・岩田地崎建設JV)と「利賀ダム本体建設(第1期)工事」(施工=清水建設・鴻池組JV)から、大成建設と清水建設の技術者に加え、利賀ダム工事事務所の職員が参加。冒頭、大成建設の半田崇氏、清水建設の牧野有洋氏が工事概要を説明。牧野氏は、コンクリート打設に自社開発した「SCプレミアムベルコン」という運搬装置や、ダムコンクリート全自動打設システムを用いるなどの自動化で、生産性の向上や省力化に取り組んでいると紹介した。3グループに分かれ、官民双方の仕事について、ざっくばらんに意見を交わした。学生からは、印象深い仕事や現場をはじめ、給料や休日、異動など「働き方」に関する具体的な質問が出ていた。
参加した学生からは「近い距離で話しができ、就職活動の参考になる経験になった」などの感想が聞かれた。
その後、南砺市に移動し、利賀ダム展望所では、利賀ダム工事事務所調査設計課の井上良介調査係長から説明を受けながらダムサイトや押場地区などダム建設地の一帯を眺めた。続いて本体工事の現場に移り、ダムサイト仮設備ヤードで基礎掘削や仮設備の施工個所、下島地区仮設備ヤードで骨材製造ヤードなどを見て回った。