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西日本建設新聞社
2025/08/27

【熊本】早期復旧へ地元建設業が懸命の作業 8月10日からの記録的豪雨

■八代建協、八代土木災害協 流出土砂の撤去が続く

 8月10日から11日にかけて、県内各地に甚大な被害をもたらした大雨で、八代地域では、県・八代市の要請を受け、八代建設業協会(中山英朗理事長、熊本県建設業協会八代支部)と八代地区土木災害協力会(野田昌博会長)の会員企業が、道路・河川等の復旧作業を続けている。
 20日時点で、市の物的被害の状況は、全壊1件、床上浸水1377件、床下浸水974件。泉町、興善寺町、敷川内町などで、土石流7カ所が確認されている。
 八代支部は、11日朝に正副会長と土木委員長を招集し、午後から現地調査を開始。臨港線で、立ち往生した車両への追突を防ぐため、セーフティーコーンを設置して回った。県南広域本部から災害支援協定に基づく要請があったのは翌12日。県道氷川八代線(東町〜妙見町)の斜面崩壊や国道443号の法面崩壊、農業用排水路に堆積した土砂の撤去などの応急対応にあたった。
 中山理事長は「今回の被災箇所は普段は通らない場所が多く、なかなか発災状況がわかっていない。お盆が明けてからも新たな復旧箇所の報告があり、現場に入れる業者を派遣している。少しでも早く復旧できるよう協力していく」と述べた。
 竜峰地区(興善寺町、岡町など)は、11日早朝に、土石流が発生。道路や河川、住宅地に大量の土砂が押し寄せ、翌日から協力会が対応にあたった。
 お盆の帰省時期と大雨による道路の交通規制の影響で、交通渋滞が発生し、工事車両が被災箇所へ着くまでに時間を要した。復旧作業は、道路の幅員が狭く、1路線に1業者しか入れないため、小型の重機で少しずつ土砂や岩、汚泥を撤去している。現場が生活圏と重なっているため、住民の出入りがあり、車両の行き違いなどで円滑に作業できないことも。
 野田会長は「緊急性の高い現場から対応していく。お盆も休みなく作業しているので、作業者の体調や熱中症のケアをしっかりしながら、取り組んでいきたい」と話していた。

■熊建協上益城支部 孤立集落解消へ道路啓開

 熊本県建設業協会上益城支部(村倫博支部長)は、8月10日からの大雨に対する支援活動に取り組んでいる。熊本県との大規模災害時支援協定に基づき、会員約15社が道路の啓開作業などを続けている。
 管内の甲佐町や山都町、御船町を中心に法面崩壊や道路の決壊が発生している。県道横野矢部線や県道三本松甲佐線、県道稲生野甲佐線、国道218号などでは通行止めを余儀なくされ、多くの集落が孤立した。
 県からの緊急要請を受け支部は、12日から道路の啓開作業を進めた。一部通行止め区間はあるものの、19日17時には管内最後となる甲佐町の孤立集落が解消された。現在は道路啓開作業に加え、道路危険個所への土嚢設置や河川の流木撤去に取り組んでいる。
 村支部長(村建設)は「休日を返上し、必死に作業に取り組む会員各社に感謝したい。多くの道路は通行止めが解消されているが、未だ道半ば。一日でも早く全線が通行再開できるよう全力で作業にあたる」と話した。

提供:西日本建設新聞社
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