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北海道建設新聞社
2025/08/28

【北海道】道住宅局が空き家解消へ支援法人プラットフォームを設置

 道建設部住宅局は、市町村が空き家対策に悩む中、北海道空家等管理活用支援法人プラットフォームを設置した。市町村が団体や企業を同法人として指定することにより、長期間にわたり住人が不在、所有者が不明、倒壊の危険性があるなどの空き家の解消につなげる。自治体に代わり、法人の専門性を生かし継続して対応できる体制を構築し、有効活用や適切な除却などに取り組む。
 国土交通省は、2023年に空家等対策の推進に関する改正特別措置法を施行した。空家等管理活用支援法人制度を創設し、法人が公的な立場で市町村の空き家対策を補完できるようにした。
 23年住宅・土地統計調査の結果を見ると、道内の空き家数は45万1900戸に上り、賃貸・売却用や別荘などの2次的住宅を除く空き家は16万3000戸。全体の36・1%を占めている。
 道建設部は、市町村職員の減少や空き家の相談に対応できる事業者が地域にいないといった課題を背景に、法律の知識や再利用に向けたノウハウを支援法人に期待している。担当者は「空き家の所有者は分かるが、アプローチの方法が分からないという事例もある。市場に流通させ売却となれば、移住・定住につながる可能性もある」と話す。
 プラットフォームは21日に設置した。道や北海道宅地建物取引業協会、全日本不動産協会北海道支部、札幌司法書士会、北海道行政書士会、北海道建築士会、北洋銀行、北海道銀行、北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所、シーアイエス計画研究所で構成する。
 法人指定の意向がある市町村の伴走支援では、現状把握から法人業務の検討、庁内の体制づくり、事例紹介などを想定。伴走支援を受ける市町村に限らず、法人も含め疑問や相談を電話、電子メールで受け付ける。
 総合局・振興局や市町村が主催する勉強会への講師派遣、支援法人の連携会議開催を見込む。
 道内では、大樹町、本別町、蘭越町が空家等管理活用支援法人制度を活用していて、この3町とも連携を図る。
 大樹町は、24年4月に一般社団法人たいきまちづくりラボを指定した。情報発信やセミナーの企画、法律に関する相談に応じるなど行政と所有者の橋渡し役を担う。24年度は5棟の除却につながり町担当者は「継続的に取り組みたい」と話す。
 本別町は全国住宅産業協会と連携する。指定は24年12月だが、居住支援協議会を設立した16年から関わりを持ち、空き家の状況を理解していることが強みだという。
 蘭越町は、合同会社サピュイエYoteiを4月に指定した。町の担当者は空き家を少しでも良い状態で売るため「所有者への意識付けが必要」と考えを示す。
 道建設部は、市町村による法人指定だけでなく、制度の理解を深めたり施策の展開につながったりすることを狙う。「プラットフォームをきっかけに、利活用や流通、意識向上につながってほしい」と積極的な活用を呼び掛ける。
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