滋賀県土木交通部は、片岡栗東線の都市計画街路整備の一環として、既存の「千代跨線橋」の横(守山市勝部5丁目他)に、新たな橋梁の架設を計画している。4車線化することで渋滞の解消を図るもの。今年度から来年度にかけて詳細設計を進める予定。工事着手時期は未確定だが、早くても2027年度(令和9年度)以降となりそうだ。
計画では、JR琵琶湖線を跨ぐ既設橋(2車線)の北側に、2車線の橋梁を新設する。橋長160b。幅員7・562b。コンクリート上部工形式は、PC8径間連結プレテンションスラブ桁橋。内訳は▽A1橋台〜P3橋脚(3径間)=延長55・2b▽P3橋脚〜P6橋脚(3径間)=延長72b(高強度PC鋼材仕様〔跨線部/うち鉄道交差部P4橋脚〜P5橋脚〕)▽P6橋脚〜A2橋台(2径間)=延長32・8b―。
下部工形式は▽橋台工=逆T式橋台2基(A1、A2)▽橋脚工=張出式橋脚7基(P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7)―。基礎形式は▽橋台基礎工=場所打ち杭2基(A1、A2)▽橋脚基礎工=場所打ち杭6基(P1、P2、P3、P5、P6、P7)、PCウェル1基(P4)―。
舗装種別は▽基層=密粒度アスコン(t40_)▽表層=同―。支承形式は▽橋軸方向=分散▽橋軸直角方向=固定―。架設工法は、トラッククレーン架設。その他、橋梁付属物(橋梁照明施設)など。道路規格は、第4種第1級(速度40q/h)。
詳細設計業務の受注者は、11月11日開札の制限付き一般競争入札(総合評価方式〔業務標準型〕)により選定する。落札決定は11月14日の予定。履行期間は業務開始日から328日間(12月17日までに業務開始)。
片岡栗東線は、守山市欲賀町の大津守山近江八幡線(浜街道)から栗東市高野の国道1号に至る延長6・3qの都市計画道路。県内でも利用台数が有数の名神高速道路「栗東IC」へのアクセス道路であり、さらにJR守山駅、栗東駅にも近いことから、沿線では住宅等の開発も進んでいるため、拡幅が未実施の区間は非常に交通量が多く、主要渋滞ポイントである「勝部四丁目」交差点付近では渋滞が慢性化している状態。
また、同線は草津守山線(大津湖南幹線)、国道8号、名神高速道路を東西に結ぶ物流にとっても重要な路線。さらに、現在事業中の国道8号野洲栗東バイパスが完成すれば、国道8号バイパスにもアクセスできることになる。
そのため「片岡栗東線都市計画街路整備事業」では、狭小な現道を4車線で拡幅することにより、渋滞を解消し、産業・経済を支える物流ネットワークの強化に資することを目指す。
提供:滋賀産業新聞