川口市は9月議会に上程する補正予算案を明らかにした。JR側との基本協定に基づく川口駅への上野東京ライン停車に向けて、JR側が業務を担う測量・地質調査費用として1億5000万円を2026年度までの債務負担行為に設定。さらに市側が川口駅再整備に伴う駅西口公共施設の一部改修を予定しており、調査委託費2161万5000円を組み込んだ。
市の主要駅となる川口駅に上野東京ラインを停車させることで鉄道輸送力増強や駅周辺の関係人口拡大を目指す。4月に市・東日本旅客鉄道大宮支社で「川口駅上野東京ラインホーム及び自由通路等の整備に関する基本協定」を締結している。
主な事業内容はホームや自由通路、店舗などの再整備。設計・施工はJR東日本が実施することを基本とする。今後の設計に備えて測量と地質調査を行うため、市が9月補正予算案で費用を編成した格好だ。
上野東京ラインが停車するホームを増設するための整備予定地として、駅西側に位置する市有地を活用する方向となっている。それに伴い支障する駅西口公共施設の一部改修が必要な可能性があり、測量・調査委託費とは別途で「川口駅西口施設等改修計画支援業務委託費」として2161万5000円を確保した。
例えば、現在の線路と川口西公園・駐輪場などの間には自転車と歩行者の専用道路が位置している。ホーム増設後も専用道路機能を確保するために、西公園や駐輪場の敷地を部分的に活用して専用道路を整備する必要があるとみている。そのためには現在地に埋設している下水管などの移設も見込んでおり、今回の調査で施工範囲などを検討するものとみられる。
ホームや自由通路の整備は基本的にJR側が担うが、それに伴う駅西口施設の改修については市側が調査・設計・施工を担う見通し。施工時期はJR側の工事と調整して検討していく。
9月補正予算案ではそのほか、SKIPシティへ機能移転に伴う教育研究所芝園分室(芝園町3−17)改修工事費4566万円なども組み込む。
予算が可決されれば一般会計に10億4468万3000円を追加して、累計総額が2793億6323万5000円となる。
提供:埼玉建設新聞