富山県の「高岡テクノドーム別館(仮称)新築工事基本設計業務」に係る公募型プロポーザルで、最優秀者に創建築事務所が決まった。「高岡らしさ」を受け継ぎ、本館との相乗効果を生み出すデザインを提案している。
内容によると、展示場外壁のアルミ鋳物、アルミパネル、扉の高岡銅板着色パネルなど地場産材を多く利用し、基壇部における庇、外壁の素材、色彩を本館に合わせている。耐圧版基礎等を検討し地下水の影響を抑えるほか、展示棟の屋根を乾式化することで建物重量を軽量化し、コスト減を図る。
エネルギー棟を囲むように別館をコンパクト(平屋建て)に配置し、両館をつなぐ回廊動線を設ける。多様なイベントに対応可能な平面プランで、本館・別館の連携を高めて大規模なコンベンションにも対応する。
講評では、地下水位を踏まえた基礎構造、屋根架構の単純化、高岡地場産業を生かした外装などの具体的なコスト縮減手法を提示していた点を高く評価。展示場と多目的室がコンパクトに平屋建てでまとめられ、本館と別館の一体的な利用、回遊性に配慮して本館側に寄せた配置も特徴として挙げた。
施設規模は、延床面積約3200〜3500平方メートル。現駐車場の北側部分に建設し、最大1200席程度の多機能型展示場、集客・交流の多目的室、パントリー、事務室、倉庫、可動式客席用収納スペース、休憩スペースなどを設ける。2028年度中の開館を予定している。
本館は1991年2月に竣工し、規模がRC造2階建て延べ7080平方メートル。
審査委員会での結果に基づき、最優秀者とともに優秀者の三上建築事務所・押田建築設計事務所JVを選定。提案者は前記2者のほか、内藤廣建築設計事務所・新建築設計事務所JV、福見建築設計事務所、新居千秋都市建築設計・みずき設計JV、ヒャッカ・本瀬齋田建築設計事務所JV、千葉学建築計画事務所・タムラ設計.JV、三四五建築研究所の計8者。