秋田市上下水道局は、老朽化が進む八橋汚水中継ポンプ場の改築基本構想策定業務を公告、9月10日に開札する。段階的な長寿命化対策の実施や改築など、整備方針について課題を整理し、検討の土台となる中長期的な構想を策定する。来年度以降は、基本構想で整理した課題や方針について庁内の合意形成を図りながら、整備内容や事業費などをブラッシュアップしていく。事業化の時期については現時点で未定。
八橋汚水中継ポンプ場(八橋本町6−12−15)は、昭和45年4月に終末処理場として供用を開始した合流式の施設。県秋田湾・雄物川流域下水道臨海処理区との機能統合に伴い、2年度に終末処理場としての機能を停止し、汚水中継ポンプ場として稼働している。
基本構想の対象施設のうち、稼働している施設は、地下に1系沈砂池がある管理本館(昭和52年度完成RC杭基礎3F約5,000u)、旧管理棟(2系ポンプ室、昭和43年度完成RC3F・B1F1,160u)のほか、管理棟の東側で処理能力を超えた雨水を貯める1・2系雨沈設備(昭和51年度完成)、草生津川側にある3系雨沈設備(平成23年度完成)、1・2系塩素混和池(昭和52年度完成)、3系塩素混和池(昭和46年度完成)。設備は汚水ポンプ(2系統9台)、沈砂池、沈砂池掻揚機、電気設備(制御盤など)などが稼働している。
また、処理場時代に処理設備として稼働していた休止施設として、1系水処理設備(昭和52年度完成)、2系水処理設備(昭和41年度完成)、汚泥処理設備(昭和41〜59年度完成)、焼却設備(昭和62年度完成)が点在し、稼働中の施設と混在している。
施設や設備の老朽化が進み、大規模な設備更新や自然災害への対策が必要となっているため、基本構想では「老朽化」「耐震化」「耐水化」「休止施設の利活用」の対策を整理し、効果的な改築更新の基本となる構想を検討・策定。具体的には維持管理、耐震化、耐水化に関する諸条件の確認・検討を行ったうえで、施設・設備の配置計画、施設設計、水位関係、施工方式の比較及び概算費用などを検討し、中長期的な方針を策定する。
ストックマネジメント(長寿命化)を継続しながら施設を使用するのか、仁井田浄水場のようにダウンサイジングする形で改築するのか。今回の基本構想はあくまでも整備方針を検討するための土台として課題を整理するものであり、方針の決定までには今後、ある程度の年数を要すると見られる。市は厳しい財政状況や高騰する資機材価格なども踏まえながら、策定した構想をもとに庁内の合意形成を図り、中長期的な視点で整備方針を練り上げていく考え。
提供:秋田建設工業新聞社