徳島南部自動車道、阿南安芸自動車道、徳島自動車道などの早期整備に向けた決起大会が東京都内で開かれ、約130名が出席し、大会決議を取りまとめた=写真。大会終了後、後藤田正純徳島県知事らが加藤勝信財務大臣と高橋克法国土交通副大臣に大会決議と要望書(徳島県の重要要望)を手渡した。
要望者は徳島県、徳島県議会、市町村、市町村議会議長と関係団体。要望は@頻発する災害や物価高騰を踏まえた道路整備を推進する予算の確保A徳島南部自動車道と阿南安芸自動車道の早期整備B徳島自動車道の早期4車線化と緊急的安全対策の実施C徳島南環状道路の整備加速D県や市町村が実施する道路整備の推進E国土強靱化に向けた体制強化の6項目。
徳島南部自動車道は、「活力の道」として、関西方面から阿南市までで40分の輸送時間短縮が徳島バッテリーバレイ構想や特産品の市場拡大を後押しし、関西や中四国への経済圏拡大に寄与するとともに、新たな人流創出の支援にもつながることから、その早期整備を求めた。
阿南安芸自動車道は、「命の道」として、既存の道路ネットワークが国道55号の1本しかない脆弱(ぜいじゃく)性と、美波から海部間の延長約23`が南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域で唯一の未事業化区間であることから、国土強靱化地域差の、早期解消を求めた。
徳島自動車道は、安全・安心基本計画で優先整備区間に選定された藍住〜川之江東ジャンクション(JCT)間の延長約55`の、全線4車線化の早期実現を図ることを要望。他に、多発する正面衝突事故を防止する区画柵の設置や路面標示改良などの緊急安全対策などを求めた。
徳島南環状道路は徳島市中心部の慢性的な渋滞の緩和を図るため、未供用の残る国府〜上八万間の整備を加速、開通見通しの早期公表を求めた。
また、県や市町村が実施する道路整備の推進に向け、国と連携し、地域の基幹となる道路ネットワークの構築を図るため、地域活性化IC、ICアクセス道路の整備に必要な予算を重点配分するよう求めた。この他、県民生活に身近な道路の安全・安心確保に向け、強靱化(緊急輸送道路整備、法面対策、無電柱化)や老朽化対策(橋梁、トンネル)、交通安全対策(自歩道)などに必要な予算確保を要望。さらに、防災・減災対策につながる大規模構造物を含むバイパス整備を進めるため、新たな補助制度創設を求めた。
国土強靱化に向けた体制の強化では、南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模自然災害に迅速かつ的確に対処するため、四国地方整備局で必要な人員の確保、県南部への事務所新設や出張所の格上げなど組織体制の強化を図ることを求めた。
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建通新聞社