建通新聞社(中部)
2025/09/10
【愛知】名古屋市 第2期街路樹再生プラン案 更新・撤去に約35億円投入
名古屋市緑政土木局は、第2期街路樹再生なごやプラン案をまとめた。2030年度までの5年間に全体で34億7300万円程度の更新・撤去費用を投入する他、年間8億円程度の剪定費用を投じる計画だ。第1期プランの実行方針を継承、同規模の更新・撤去を進め、街路樹の再生・保全・育成を図るとしている。
目標事業量は、更新は5年間で5500本(事業費は24億0900万円)、撤去は同3800本(同10億6400万円)、剪定は年間2万3800本(年間8億0900万円)。
更新は▽道路空間と調和した街路樹への更新▽市民や地域に親しまれている並木道の更新▽市民や事業者からの寄付による街路樹の更新―の3つの取り組み手法で進める。
道路空間と調和した街路樹への更新は、路線ごとの更新とし、更新対象は全部で3万本。事業期間を残り30年と想定、第2期プランでは年間で1000本を更新する。倒木や落枝、根上がりなど事故リスクが高い樹種に、マテバシイ、タイサンボク、シラカシ、クロガネモチの4種を第2期プランから更新対象に追加する。歩道が広く植栽空間が確保できる広幅員道路には、樹冠が大きく成長するトウカエデ、アメリカフウ、イチョウなどを選定して植栽するとしている。
並木道の更新は、同一樹種への単木での更新とし、計画的かつ段階的に更新する。第2期プラン期間の事業量は年間100本。更新対象は全体で3500本ある。地域に親しまれている並木道は、山崎川周辺(瑞穂区)や香流川緑道(名東区)などのサクラ類、市役所周辺(中区)のユリノキが主な対象箇所。
寄付による街路樹は想定事業量として5年間で300本を想定。想定事業費は1億2000万円(本紙では全体事業費には含めていない)。
更新の際には道路緑化基準に基づく適正な間隔で植栽する他、更新や道路改良の機会に併せて、植樹帯を植ますに改良するなど通行の安全性を確保するとしている。
撤去は▽狭幅員歩道の安全な通行を確保するため▽標識などの施設に近接して植栽の基準に適合しない街路樹▽樹木診断などによる不健全木▽道路空間やまち並みと調和のとれた街路樹とするための間伐―の4つに取り組む。
歩道は原則、有効幅員2b以上を確保するため全体で1万本を撤去する。想定事業期間は17年で、第2期プランでは年間600本を撤去する計画。その他、植栽基準に適合しない街路樹の撤去は年間80本を目標事業量とした。不健全木の撤去は年間80本、間伐は年間40本をそれぞれ想定している。
第1期プランの実績は、更新、撤去、剪定の取り組みについて、目標事業量をおおむね達成できる見込みとしている。第1期の検証として、道路空間と調和した街路樹への更新では、地域の要望などを聞きながら事業を進めた結果、樹冠がコンパクトな花木を多く植栽することになったとし、十分な生育空間を確保できる道路での更新の場合は、樹冠が大きくなる樹種を選定し、風格ある並木を形成する必要があるとしている。
提供:建通新聞社