東北地方整備局は、阿武隈川緊急治水対策プロジェクトの事業期間を2033年度まで5年間延長する。遊水地計画の見直しなどに伴うもので、大規模災害関連事業の本県分事業費を約999億円から約1800億円に増額した。
第19回阿武隈川水系河川整備委員会が16日、福島市のコラッセ福島で開かれ、直轄河川改修事業の再評価を行い、プロジェクトを含む事業変更案を妥当とした。
増額要因は@公共工事労務単価や資材単価等、働き方改革等への対応(約241億円)A遊水地計画の見直し(約603億円)。遊水地計画は掘削深の見直しや囲繞堤位置の変更、施設詳細構造の決定により、遊水地の範囲を約300haから約350haに拡大。盛土材として使用を想定していた遊水地内の掘削土が軟弱なため、土質改良を行う。
一方で、遊水地内の地下水分布調査結果から掘削形状を見直し、掘削土量が約820万㎥から約570万㎥に減少。残土処理の運搬距離が短くなったため、全体で約43億円のコストが低減した。
(提供:福島建設工業新聞社)