県土木部は、年次的に試行拡大しているICT活用工事の取り組み状況(契約時期ベース、2025年3月末時点)を明らかにした。23年度は対象工事595件のうち96件の実績があり、実施率は16.1%。今後、繰越工事の完成に伴う増加が想定され、前年度並みの数字には届きそうな見通しだ。
県土木部発注のICT活用工事は、16年12月から試行を開始。対象工種は18年2月からの「土工」(簡易型は21年2月〜)を皮切りに、21年3月から「法面工」「舗装工」、22年4月から「付帯構造物設置工」「舗装工(修繕工)」、同10月からは「作業土工(床掘)」「小規模土工」「地盤改良工」−と拡大してきた。
工種拡大に伴って、21年度からは対象工事(特記仕様書に明記した工事)の件数が大幅に増加。これに比例して取組工事の件数も増え、21年度は93件(実施率19.9%)、22年度は105件(同18.9%)と初めて三桁の実績が上がった。
直近の実績は、23年度96件(実施率16.1%)、24年度27件(同4.4%)となっている状況。今後、繰越工事の完成に伴って増加が見込まれるため、年次的にどこまで数字が伸びてくるか注目したい。
■工種別件数
土工7割で最多
累計の実績を工種別にみると、土工(簡易型含む)が全体の70・3%を占める305件と最多。これに法面工の78件(構成比18%)が続き、ほか舗装工22件(同5.1%)、舗装工(修繕工)13件(同3%)、付帯構造物工5件(同1.2%)−などとなった。 近年では、23年4月から「河川浚渫工」「構造物工」「基礎工」「擁壁工」を追加。24年4月からは「1000m3未満の土工」「橋梁上部工」も対象に加えた経緯がある。