東北防衛局は、航空自衛隊加茂分屯基地の隊庁舎建て替え、同秋田分屯基地の仮設警衛所設置、陸上自衛隊秋田駐屯地の浴場建て替えなどに向け、総合設計(基本設計・実施設計)を再公告した。6月5日に公告したが入札への参加申し込みがなく、不成立となっていたもの。来年2月2日に開札し、予算状況を見ながら8年度以降に整備に着手する。防衛省が全国の老朽施設で改築、集約化、改修などを行う「最適化事業」の一環。
航空自衛隊加茂分屯基地では、仮設隊庁舎2棟(S1F約360u、S2F約480u)、仮設浴場(S1F約30u)を設置した後、老朽化した既存の隊庁舎(RC2F約2,400u)、東屋(W1F約10u)、渡り廊下(S1F約40u)、自転車置場(S1F約10u)を解体。跡地に新しい隊庁舎(RC2F約2,400u)、自転車置き場(S1F約10u)、渡り廊下(S1F約20u)を建設する。
航空自衛隊秋田分屯基地では、仮設の警衛所(S1F約60u)、仮設整備場・倉庫(S1F約1,600u)、仮設消防車庫(S2F約430u)、仮設電気室(RC1F約160u)を設置。既存の消防車庫(RC1F約410u)、倉庫(S1F約600u)、車庫(S1F約920u)、電気室(RC1F約160u)、整備場(RC1F約140u)、油脂庫(RC1F約30u)を解体し、跡地にこれら施設を新設する。今回の設計では仮設と解体の設計のみを行い、新設設計は8年度以降に委託する予定。
陸上自衛隊秋田駐屯地では、既存施設とは別位置に浴場(RC約490u、機械室含む)を新設した後、既存浴場(RC1F約480u)と機械室(S1F約10u)を解体する。
今回、再公告した設計業務の参加要件のうち、単体で参加する場合は建築コンサルタントA級、共同体で参加する場合の代表者は建築コンサルタントAまたは土木コンサルタントA級。代表者以外の構成員は建築、土木、電気、機械、または通信コンサルタントB級以上の格付が必要。
共同体代表者の同種業務実績では、元請けまたは防衛省総合発注業務の再委託として、国内でRC、SRC、S造の建物新設または改修の基本検討、基本設計または実施設計を履行した実績が求められている。
防衛省では全国の自衛隊施設(283地区23,254棟)のうち、約4割にあたる9,875棟が旧耐震基準時代に建設され老朽化が進んでいることを踏まえ、基地・駐屯地の建替を伴う施設再配置、集約化、改修などを行う「最適化事業」を推進している。ブロックごとに「マスタープラン」を策定しており、本県を含む地区のプランはオリエンタルコンサルタンツ・綜企画設計・復建技術コンサルタント共同体が担当している。
国内で行われている最適化事業では、ECI方式(設計段階から施工者が参画し、施工の実施を前提として設計に技術協力する方式)で発注しているところもあるが、本県の場合は分離・分割発注となる見通し。
提供/秋田建設工業新聞