池田町新庁舎・複合施設建設工事の安全祈願祭が1日、関係者約60人が参列して開催された。場所は、薮田(能楽の里文化交流会館跡地)で。杉本博文町長が挨拶し、町民の利便性の向上に強い意欲を示した。安全安心の実現、行政施設の集約化と複合化、学び・交流の拠点化を目指している。
神事に則り、地鎮之儀は、杉本博文町長が斎鎌之儀、香山建築研究所の長谷川祥久所長が斎鍬之儀、田中建設の田中大成代表取締役と関組の関剛摩代表取締役が斎鋤之儀を行った。また宮司に続き、代表者が神前に玉ぐしも捧げ、工事の無事安全を祈願した。
続く直会では、杉本町長が挨拶。施工者を代表し、田中代表が無事の引き渡しを誓った。
工事概要は、複合施設棟で延床面積2965・77平方メートル。W造・RC造・S造の地上1階建て。役場と図書館、公民館機能を備える。付属棟は車庫と倉庫で、S造平屋建て延べ433・65平方メートル。電気設備工事、機械設備工事、外構工事。工期は2027年5月末の予定。事業費は25億9600万円(税込み)。
設計は、香山建築研究所(東京都文京区)。設計協力は、走坂建築設計事務所(福井市照手3丁目)。施工は、田中建設・関組特定JVが担当。NPO法人サウンドウッズ、谷本木材も参画。
式後、設計担当の長谷川所長は「役場は、英語ではタウン・ホールと表現するが、日本ではタウン・オフィスになっている。今回の池田町の複合施設の試みは、『ホール』を目指す、全国的にも画期的」と取材に応じるなど、意欲を示した。
式典で杉本町長が挨拶
ここまで10年。木造で、それも池田町の産材を使ってと要望し進めてきた。関係者のご指導に改めて感謝致します。町では、公共施設の在り方を検討し、3カ所に分かれた町民の利便性を、ワンストップ化を目指し、場所を選定した。人口減少が想定されるが、誇りを絶やすことがあってはならない。町ではもっか、木望の森100年プロジェクトと、脱炭素むらづくりプロジェクトを進めている。複合施設の建設は、大きな予算となるが、町民の財産で、町民のための施設とする。これから真価が試されることになる。必ずや、町民の利便性を向上させ、町民の諸活動の援助・支援になるよう努めていきたい。施工者には、そんな思いを汲み取って頂き、持てる技術力をフルに発揮していただき、安全に無事に、品格ある施設の建設としてほしい。
【施設の特徴】
・池田町の風土と調和した建築洋式 → W造平屋建て瓦葺(RC造、S造を含む)
・地域材を最大限に活かす木材調達実践 → 構造材や内装材で約830立方メートルを事前調達・確保し建築に使用
・能狂言公演から町民活動まで、多様な利用が可能なホールを整備 地域活動と学びを融合させる図書公民館空間整備
・地域資源活用、脱炭素の取り組みのショールーム → 木質バイオマス熱を利用し冷暖房を実施 建物はZEBready仕様で設計 付属棟に融雪機能付き太陽光パネルを設置
・行政窓口の利便性向上 → ほっとプラザの隣接地に建設 行政機能を集約化し町民の利便性向上を図る