コンクリートメンテナンス協会(略称・JCMA)は2日、新潟市中央区の朱鷺メッセで「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2025」を開いた。
フォーラムは「持続可能な未来を見据えたコンクリート構造物の維持管理」をテーマに、最新の維持管理技術や補修方法を解説するもの。11月28日まで全国12会場で開催され、北陸(新潟)フォーラムにはコンサルタントや建設業の関係者ら約300人が参加。
開会に先立ち、徳納剛会長が「現場では技術者不足や維持管理コストの増大が深刻化し、迅速かつ効率的な対応が必要とされている。また、補修技術や劣化診断技術の進展にもかかわらず、実務での適用が十分進んでいない現状」と説明。その上で「現場で直面する具体的な問題を取り上げ、その解決策を共有していきたい。技術者の皆様にとって、最新情報と実務のヒントを得られる貴重な機会となることを確信している」とあいさつ。
引き続き、北陸地方整備局道路部から猿子求道路保全企画官が「国土交通行政の最新動向」をテーマに、全国および北陸3県(新潟、富山、石川県)における橋梁やトンネル老朽化の現状、道路事業における地域一括発注の取り組み、道路メンテナンス事業補助制度における優先的な支援などについて報告した。
また、江良和徳氏(JCMA技術委員長)が「コンクリートの劣化機構を理解して維持管理に活かす」と「コンクリート構造物の長寿命化における亜硝酸リチウムの役割」、久保善司氏(金沢大学准教授)が「シラン系表面含浸材を用いた補修対策とその効果」、真鍋英規氏(CORE技術研究所)が「持続可能な未来へ向かうコンクリート構造物の非破壊検査・点検技術」を演題に講演が行われた。