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日刊岩手建設工業新聞社
2025/10/07

【岩手】北上市 ツインモールの再生へ 優先交渉権者と基本協定

 北上市は、公募型プロポーザル方式の「ツインモールプラザ運営事業」について、優先交渉権者を潟潟I・コンサルティング(本社・東京都千代田区、小杉裕康代表取締役)に決定し、6日に両者間で基本協定を締結した。同社の提案内容を見ると、賃貸希望区画は東館1〜4階と5階の一部で、1・2階に商業施設を中心とし、3・4階にオフィス・サービス店舗を想定するなど用途を住み分ける。契約期間は普通借家契約10年間。10年間で約10億円を建物改修に投資する見通しで、順調に作業が進めば、来春から改修工事に入る予定だ。
 同市芳町の市役所本庁舎内での締結式には、同社の小杉代表取締役、八重樫浩文市長、選考委員会で委員長を務めた鞄s市構造研究センターの南部繁樹代表取締役らが出席。小杉代表取締役と八重樫市長が基本協定書に署名し、基本協定を締結した。
 協定締結後、八重樫市長は、市の将来像として「あじさい都市」を掲げる市にとってツインモールプラザが中核を占める施設であることを強調し、「ツインモールプラザを拠点として地域とネットワークを結び、市全体の発展につなげたい」と今後も連携して取り組んでいく考えを示した。
 小杉代表取締役は、「これまでビルや不動産の再生に取り組んできた強みを生かし、市と連携しながら施設を作り上げていきたい」とあいさつした。
 同社の提案内容を見ると、運営目標に▽持続的・安定的な運営が成り立つ施設に転換▽市中心部の活性化に寄与―を掲げ、運営方針として▽ターゲットを「商業」から「地域密着型店舗・オフィス」に転換し施設を再生▽時代の変化に応じて柔軟な運営を行う方針のため、多様なテナントを誘致―を挙げている。
 賃貸希望区画は、東館1〜4階と5階の北上都心開発鰍フ現事務所区画。契約期間は普通借家契約の10年間だが、契約更新を希望しており、20年の収支計画を提案している。
 賃料は年額528万円(月額44万円・税込み)を希望し、指定管理料金は市営本通り駐車場の年額7106万円(税込み)。フロアイメージは、1階が物販(スーパーやドラッグストアなど)、2階が物販(雑貨)やファッション、一部オフィスを想定。4・5階はオフィスやサービス店舗(塾など)をイメージしている。
 改修工事については、エントランス・ファサード部分の改修工事や壁面開口および窓設置工事、館内レイアウト変更工事、共用部分の美装工事、施設名変更、設備等の修繕(適宜)、誘致テナントの内装補助などを予定。
 既存テナントとの調整が必要であり、テナントの募集状況などを考慮し、段階的・機動的に工事を実施予定。運営開始後1〜2年程度をかけて、工事内容の検証やテナントとの調整、工事会社の選定を行っていく方針だ。
 修繕に係る投資額は、10年間で9億6800万円を想定。修繕負担金として市が3億6000万円を支出する予定となっている。順調に作業が進めば、来春から一部工事に入る見通しだ。
 建物は、東館は同市本通り二丁目に位置し、鉄骨造8階建て延べ3万3356・29平方b。敷地が1万3570・57平方b。附属設備は機械設備一式、電気設備一式、消防設備一式、連絡通路等工作物(りぼん橋)など。
 ツインモールプラザに併設する市営本通り駐車場は、12月15日以降に同社が指定管理者として管理業務を担う予定。11月から1カ月半は市の直営となる。
 今後は、今月中旬に市と同社が不動産売買とツインモールプラザ貸付に関する仮契約を締結。29日の臨時議会で財産の取得・財産の貸し付けに関する議案が可決されれば、両契約が本契約となる。
 11月中旬に、市が北上都心開発鰍ゥら不動産を購入。12月15日に市から同社に不動産を引き渡す予定となっている。
 リオ・コンサルティングは、商業施設の運営や資産運用コンサルティングなどを業務内容としている。全国で603棟(25年3月末時点)を運用し、東北では62棟目を運用中。本県関係では、盛岡市内で農林会館など15棟、花巻市内でホテルグランシェール花巻1棟の計16棟を運用している。

提供:日刊岩手建設工業新聞