トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社
2025/10/08

【大阪】スリム化ガイドの運用などについて要望 近畿地方整備局と大阪建設業協会 

 国土交通省近畿地方整備局と大阪建設業協会は10月6日、大阪市内で意見交換会を行った。大建協が提案した「『土木工事書類作成スリム化ガイド』と『受発注者コミュニケーションガイド』の運用」、「入札契約制度」、「現場運営について」の大きく三つの項目について意見を交わした。また、近畿地整から府内の出先事務所の事業概要説明やTEC−FORCEパートナー、直轄工事における現場閉所による週休2日の取り組み、厚生労働省による「建設業における1年単位の変形労働時間制のポイント」などに関する情報提供を行った。
 近畿地整企画部の野坂周子部長はあいさつの中で第1次国土強靱化実施中期計画について、「予算編成過程で検討する事項要求という形となる。毎年どのように要求していくかが重要になってくる」とした。また2026年度予算の概算要求については、「今年は予算要求の枠組みが変わった。6兆円規模という形からの脱却をどのように成し遂げられるかということに整備局として全力を挙げて取り組んでいく」とし、協力を求めた。また「意見交換では発注者としての責任を問う意見などが数多くある。私たちの組織自体が改善する機会をいただきたい」と課題に正面から向き合っていく姿勢を示した。
 大建協の田中好秀総合企画委員長は、「生活インフラの多くが老朽化しており、更新、耐震は待ったなしの状況だ。また、自然災害への対応などを着実に進める必要がある」とした上で、「労務費の上昇や建設資材の高騰による公共事業予算の実質的な目減りの解消を図る必要がある。適切な予算確保とともに安定的な工事の発注をいただき、建設業として国土強靱化の推進に尽力していきたい」と述べた。また、「協会としても入職促進活動を進めており、若者に選ばれる希望ある業界となるよう取り組んでいく」とあいさつした。
 大建協は、ガイドラインの運用の徹底について、近畿地整が今年5月と6月に両ガイドの改定を行うなど、書類の簡素化や受発注者間での役割分担などについて積極的に取り組んでいると評価しながら「一部の監督官や現場技術員の理解不足が見られる。ガイドラインの運用の徹底をお願いしたい」と要望。近畿地整は、「今後さらに周知徹底を図っていく」とした上で、「ガイドラインが守られていないことを指摘することで、その後の仕事に支障が出るということはない。適宜遠慮なく指摘してほしい」と真摯(しんし)に向き合う姿勢を示した。
 また、大建協から特殊車両通行許可証について、「特殊車両が多数存在する現場では日ごとに写真や許可証をまとめる必要があり、膨大な量となる。監督職員の請求があった場合の提示としてほしい」と要望。これに対し近畿地整は、「許可証などが膨大な量となることは把握している。写真の提出を減らすなど改善を図っており、引き続き、検討を進めていく」と改善に取り組むことを明言した。
 「入札契約について」では、分任官発注工事の入札制度について「施工能力評価型では特定の会社に受注が集中している」と指摘し、発注件数の拡大とともに運用方法について再考することを求めた。近畿地整はこれに対し、「担い手の確保の観点から、評点や実績などの比重を落としたチャレンジ系工事の件数を増やそうと取り組んでいる。合わせて、より詳しい発注情報を提供できるようにしているので試行工事にもチャレンジしてほしい」と積極的な参加を求めた。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

 提供:建通新聞社