半導体製造装置や一般産業装置、社会インフラ装置向けの制御盤・分電盤の製造などを手掛ける潟Nボテック(神奈川県秦野市、窪嶋竜一代表取締役社長)は、奥州市胆沢南都田の広表工業団地に新工場の建設を決定。7日には、奥州市役所で工場立地に関する協定調印式が開かれた。新工場は、タカヤの設計・施工で、27年1月の操業を目指し建設。将来的に工場の増設も見込まれている。
同社は、1965年の創業から今年で60周年となる。神奈川県秦野市、伊勢原市に工場を構え、受注から設計、部品調達、製造、検査、出荷、アフターサービスに至るまで、一貫して自社で対応できる体制を整えている。ゼロカーボンへの取り組みなどにも力を入れている。
世界的に半導体の需要が急増し、成長市場に対応するため、主要取引先に近い体制の構築を目指し、奥州市に新たな拠点となる5工場目の建設を計画した。27年1月に第1期の稼働を目指し、鉄骨造平屋の床面積約3300平方bの新工場を建設する。
現在設計を進めており、来春の着工を予定。26年内に竣工し、27年の稼働を見込む。第1期の建物整備に係る設備投資は約15億円。
新工場では、半導体製造装置向けの制御盤・分電盤の製造を行う。27年1月の操業時の体制は、従業員が約25人で、このうち10〜15人程度を新規雇用として見込む。
今回の新工場整備により、奥州で半導体製造装置関連、神奈川で一般産業装置や社会インフラ装置関連などの製造をメインにしていきたい考え。BCP対策として、生産地域を神奈川と奥州に分散し、供給リスクの軽減を図るとしている。
奥州の新工場では、将来的に第2期として第1期と同規模の工場を増設することも構想。第2期のフル稼働時には、現在の2倍の生産能力を有する計画としている。
調印式では、窪嶋社長と倉成淳市長が協定書に調印。窪嶋社長は「この地は東北シリコンバレーの中心で、社の事業をさらに躍進させる大きな舞台となる。単に工場を建てるだけでなく、地域に根差し、ともに成長する企業でありたいと考えており、雇用を生み、地域経済に貢献できるよう全力を尽くす」と決意を述べた。
市では、広表工業団地について、オーダーメイド方式から市直営に切り替えて残る区画を造成し、今回が市直営で造成後初の立地となる。
倉成市長は「御社の先端技術は、本市の産業構造の高度化を推進し、さらなる本市の半導体関連産業発展の一翼を担っていただける」と期待し、できる限りの支援も約束した。
提供:日刊岩手建設工業新聞