北海道建設新聞社
2025/10/08
【北海道】道経済部が25年度新エネ関係補助で38件認定/予想上回る応募
道経済部の新エネルギー関係補助が市町村や事業者に広まっている。2025年度は38件の計画を補助認定した。予算額11億5500万円に対し、54件の応募、要望額は15億7200万円と需要の高さがうかがえる。市町村や民間企業、大学を加えたコンソーシアムなど事業主体はさまざま。道の担当者は、補助の認知度や利用者の環境への意識が高まっているとみている。
新エネ設備導入支援の認定計画が最も多い24件。前年度を11件上回った。事業費34億1947万3000円に対し、7億7623万7000円を補助する。
太陽光発電や木質バイオマスボイラ、地中熱などを想定し、地域経済活性化や地域振興への波及効果が高い新エネ設備、効果を増大させる省エネ設備の導入を促す。
補助率2分の1以内、限度額5000万円が条件。赤井川村、足寄町、標茶町、士幌町、豊浦町、日高東部消防組合、LIXIL、北海道厚生農業協同組合連合会、イトイグループホールディングス、合同会社HBU−SDGsエネルギーに満額を充てた。
赤井川村は事業費6億2217万8000円を充て、役場庁舎に地中熱ヒートポンプの空調設備を採用。LIXILの事業費は1億235万2000円。岩見沢市内の自社工場に、未利用の除排雪を雪冷熱エネルギー源として有効活用する冷房システムを整備する。
ゼロカーボン・イノベーション導入支援の計画は4件。事業費4億1235万9000円に2億2206万7000円を補助し、事業期間3年以内、補助率3分の2以内を条件としている。
興部カーボンニュートラルイノベーションコンソーシアムと幌加内町コンソーシアムが3年目を迎えた。興部はバイオガスプラントで家畜ふん尿由来で水素に転換できるギ酸製造に乗り出している。幌加内はそば殻を固体燃料の「バイオコークス」に再生する製造プラントを本格稼働させる。厚沢部町風力発電コンソーシアムは2年目に入り、低コスト型バイオメタン地域サプライチェーンモデル構築コンソーシアム(鹿追町)は1年目。
実用化目前の先端技術などを地域の特性に合わせて最適化し、新エネの製造・貯蔵・輸送・利活用という供給網構築を支援する。道の担当者は「事業者にとっての挑戦を支えられれば」と話す。
効果的かどうか、地域への公共性といった観点で計画を認定している。道の省エネ・新エネ促進・関連産業振興ワンストップ窓口では、市町村を中心に補助に関する問い合わせが多く「地道なPRが実を結んだ」と認識。引き続き情報発信に取り組む考えだ。