大阪府は、府営堺宮園住宅の活用地の売却条件を見直し、2025年度中に再入札する計画だ。24年12月に共同住宅の建設を条件とした売却の一般競争入札を公告したが、参加申し込みがなく不調となっていた。再入札に際しては、事業者へのヒアリングなどを踏まえ、小売り店舗など生活利便施設の整備などを条件とすることなどを検討している。10月7日の都市住宅常任委員会で奥村ユキエ議員(大阪維新の会)の質問によって明らかになった。
奥村議員は、活用地東側に奥行きがあるため、駐車場と建物の配置の難易度が高いと指摘し、「商業や医療機関など、共同住宅以外の用途の方が土地活用がしやすいのではないか」として、再入札に向けた検討状況について聞いた。
質問に対し吉ア博史住宅施設保全課長は、入札不調の要因を分析するために行ったヒアリングの結果について、複数の事業者から昨今の建設コストの高騰により共同住宅の立地は困難であるとの意見があったと報告。
続けて、「活用地が幹線道路に面しているため、小売り店舗などの生活利便施設であれば入札参加が可能との意見もあった。これらを踏まえ、年内に落札者を決定できるよう、共同住宅の整備を必須としていた売却条件を見直す方向で堺市と検討を進めている」と、今後の方針を示した。
答弁を受け奥村議員は、同活用地の早期の取り組みを要望した上で、今後予定されている建て替え工事に伴い創出する活用地=位置図参照=について、「隣接している活用地2と3を一括で売却し、道路付けを行うなどの案もある。活用地4については、敷地が広く駅から近い位置にあるため、早い段階で整備方針を固められると、残りの活用地で誘致するテナントなどの検討が進むのではないか」と提案した。
再入札を予定する活用地の所在地は堺市中区宮園町15ノ17。敷地面積は2366・83平方b。用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)、第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)。
24年12月に行った一般競争入札の最低売却価格は3億3135万6000円だった。入札不調を受け、25年3〜5月にかけて同条件で先着順の買い付け申し込み募集を行ったが、申し込みはなかった。
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提供:建通新聞社