国土交通省近畿地方整備局は10月10日、2025年度第3回事業評価監視委員会(委員長・山田忠史京都大学経営管理大学院教授)を開き、重点審議として「一般国道307号信楽道路」、「一般国道29号姫路北バイパス」、「東播海岸直轄海岸保全施設整備事業」、「木津川水系直轄砂防事業」、「姫路港広畑地区国際物流ターミナル整備事業」の5件を再評価し、いずれも原案通り「事業継続は妥当」と判断した。
信楽道路の事業区間は滋賀県甲賀市信楽町黄瀬〜信楽町勅旨で、延長は2・9`。進捗率は約18%。物価上昇などに加え地盤改良工の追加があり事業費を17億円増額し、全体事業費は97億円となった。土砂搬出先の変更や、水路のプレキャスト化採用などでコスト縮減に取り組む。
姫路北バイパスの事業区間は兵庫県姫路市相野〜林田町六九谷で、延長は6・2`。進捗率は25年3月末で約57%。物価上昇に加え、橋梁下部工の土留工法をアースオーガ併用圧入工法に変更することに伴い事業費を31億円増額し、全体事業費は281億円となった。コスト縮減には切土量の削減、道路側溝への新技術活用などを予定する。
東播海岸直轄海岸保全施設整備事業は、残事業地区の垂水工区で、狩口・塩屋東地区の護岸整備を進めている。垂水工区の延長は7570bで、このうち直轄延長は6161b。進捗率は約93%。物価上昇の他、作業半径が大きい起重機船への変更や、ケーソン護岸背面の空洞への対策により事業費を60億円増額し、全体事業費を294億円とした。また空洞対策を優先して実施することなどから事業期間を10年延伸し、2036年度までとした。
木津川水系直轄砂防事業は砂防堰堤を44基を整備する。このうち7基は整備済みで、進捗率は約34%。建設資材単価などの状況に加え、詳細調査に基づく施設規模の増加や施設追加に伴い事業費79億円を増額し、全体事業費は239億円となった。工事・管理用道路の延長などで事業費が増えた一方、施設規模の縮小や削減でコストを見直した。
姫路港広畑地区国際物流ターミナル整備事業は、直轄事業は岸壁整備(水深14b、延長240b)、泊地整備(水深14b、1・2f)、航路・泊地整備(水深14b、7・2f)、臨港道路(延長1・8`)。補助事業は臨港道路(延長1・7`)を計画する。進捗率は約8・4%。物価上昇の他、地質調査を踏まえた橋梁基礎と仮設工の見直しで、事業費を209億円増額し、全体事業費を479億円とした。また事業期間を約6年間延長し、36年度までに変更する。
提供:建通新聞社