トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(埼玉)
2025/10/15

【埼玉】北本・桶川・鴻巣の3市、圏内への防災庁設置へ要望

 政府が2026年度内創設を目指す「防災庁」の県内設置を目指し、県央地域でも新たな動きがみられた。県央広域事務組合を共同運営している鴻巣・桶川・北本の3市が3日、3市圏域内への防災庁設置に関する要望書を長橋和久内閣部防災監へ手渡した。すでに誘致へ動いている県西部地域5市、本庄地域1市3町、秩父地域1市4町などに続き、これで県央地域も防災庁設置の候補に挙がった格好だ。
 鴻巣・桶川・北本の3市は首都圏50q圏内に位置し、都心への通勤・通学に便利な住宅として発展。3市内では消防や斎場業務の広域化を図り県央広域事務組合を設立しており、アクセス性の良さなどを生かして防災庁設置を要望した格好。仮に誘致が叶えば3市にとっても最先端の知見や人材が集うことで地域の防災力を向上できるメリットがあるとみている。
 当日は3市の市長が中央合同庁舎第8号館3階の長橋防災監室を訪れ、3市圏内へ防災庁を設置する要望書を提出して圏内の強みを説明した。
 主な強みとして捉えるのは▽強固で安定した地盤▽地震に強い道路ネットワーク▽都心部への良好なアクセス▽航空輸送力の優越▽防災力をけん引する防災発信拠点――の5点だった。
 3市圏内は強固な地盤がある大宮台地に位置。今後発生するとの想定がある首都直下地震などに対しても、都心部と比べて被害が少ないとの見込みだ。それだけでなく活火山や雪害、津波などの地理的リスクも比較的低い地域特性を持つ。
 3市は「被害が発生した場合の陸路によるアクセス」についても優位性があると捉える。圏内には東西方向では首都圏中央連絡自動車道、南北方向では国道17号が通る地域。複数の大型インターチェンジも立地し、主要な高速道路へのアクセス性の高さも説明。JR高崎線が南北に縦貫し1時間以内で都心部へ到着できる点も加えている。
 さらに県唯一の消防学校となる「埼玉県消防学校」や広域的な防災拠点となる防災道の駅「べに花の郷おけがわ」などの防災発信拠点が圏内に立地し、災害拠点病院の指定を受け被災時における緊急治療などの機能を持つ北里大学メディカルセンターが所在していることも利点と語った。
 防災庁設置は政府肝いりの政策として始まり、全国各地でさまざまな自治体が誘致に向けた動きを見せている。県内誘致の動向も加熱していきそうだ。

提供:埼玉建設新聞