トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(埼玉)
2025/10/16

【埼玉】深谷市/指定文化財の瑠璃光寺・仁王門、修理工事の施工詳細を公表

 深谷市は、同市指定文化財である瑠璃光寺(稲荷町北9ー25)・仁王門で進行中の修理工事について、施工の詳細を公表した。古くなった部材の取り換えや、主に赤色で塗装の塗り替えを行うのが中心。寺社仏閣建築の施工を手掛けるスペシャリストの宮大工らを多く抱える金剛組が取り組んでおり、遅くとも12月末までには完工する見通しだ 
 仁王門は、仁王像2体を囲うように、主に8つの柱で支えた八脚門。床面積29・56uに建つ。間口6・969m、奥行4・242m。
 江戸時代の享保年間(1716〜36)に建立され、当時は茅葺き屋根だった。
 主な改修工事としては、柱が地面に接着する「礎盤」が12あるが、そのうち一部を交換する。柱と柱とをつないで強度を保つ「腰貫」も部分的に取り替える。また、像の近くに鳥の巣などがつくられないよう設置した防鳥網の清掃、像の周辺部にある「框」の塗装も予定される。仁王像自体には施工はしない。
 屋根の部分では、柱と柱を結ぶ梁に取り付けられた「虹梁」で、傷んだ一部に別の木材を覆って修復するなどの施工も実施する。最下部のモルタルも張り替える。
 同市文化振興課によると、今回の改修は、1896年に瓦葺きに改変したり、1986年に壁を修繕したりした工事に次ぐ規模になるという。
 8月中旬から施工を本格化し、現状のペースでは11月下旬ごろまでかかる予定。遅くとも12月中には完工しそうだという。
 9月6日には、現地での修理工事説明会も行われ、約50人の参加者があった。同市職員による瑠璃光寺の歴史や築約300年に及ぶ文化財についての説明が行われ、その後、宮大工らが建築技術や道具などを披露。さらに、カンナがけの実演も行われた。参加者らは、普段見慣れない現場や、高い技術に感心した様子だったという。

提供:埼玉建設新聞