独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の福井支部(越前市行松町、石井伸明支部長)は8日、高年齢者雇用推進セミナーを開催した。
会場は、福井市下六条町の県中小企業産業大学校=写真上下。
10月の高年齢者就業支援月間にちなみ企画され、生涯現役社会の実現に向けた意識啓発を目的としている。
まず、福井労働局から、県内の雇用失業情勢(今年7月)を紹介した。有効求人倍率については1・89倍で、前月比0・05ポイントの上昇となった。依然、求人が求職を大幅に上回って推移するなどと状況説明。ただし、物価上昇などが雇用に与える影響に注視が必要としている。
基調講演は、健康企業代表で医師、労働衛生コンサルタントの亀田高志氏が務めた。氏は「長く元気に働いてもらった方が、本人にも、会社にもいい」と指摘し、そのためにも気兼ねなく相談できる環境づくりが大切と呼び掛けた。家族の問題や経済的な問題など「お互い様」の気持ちを持ち、「助けてほしい」と言える共有を強調した。
事例紹介も行われ、大野和光園の山村正人専務が「エイジレス 働きがいのある職場づくり」と、ニューチップ運送の佐々木正江氏が「高齢社員が会社を強くする」と題して話した。
佐々木氏は、未来をつくるのは「経験」という財産。ベテランの姿勢が若手の原動力(背中で語った教え)になった。高齢社員は宝であり、その力を活かすかいなか、企業の「創造力」にかかっていると話し掛けた。