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日刊建設タイムズ社
2025/10/21

【千葉】対策水準引き上げを/孤立可能性集落を視察/熊谷知事

熊谷俊人知事は19日、災害時に孤立する可能性のある富津市と君津市の集落を視察した。各集落では、県の孤立集落対策緊急支援補助金を活用し、災害対策として備蓄品や擁壁などが整備された。熊谷知事は「財政的な支援も行い、自助・共助・公助の対策レベルを引き上げていくことで『防災県・千葉』が確立できる。ハードとソフトの両面にわたり、できる限りの対策を実施していきたい」と意気込んだ。

第46回九都県市合同防災訓練(千葉県会場)に参加した後、富津市豊岡の宇藤木集落と君津市大戸見の細野集落を巡った。

細野集落では、君津市道大戸見、細野線において、災害時の土砂崩落・道路寸断のリスク軽減を目的として設置された待ち受け擁壁を確認。

擁壁は、H鋼高さ2m(コンクリート柵板高さ1・8m)、根入れ長1mで、全体延長46・5mの計画。

2024年度に南側の延長15m、25年度に中央の延長18・5mを完成し、26年度には北側の延長13mを整備する予定。工事契約額は、24年度98万5600円、25年度129万3600円。工期は各2か月程度だった。

石倉丈士・君津市危機管理監から事業について説明を受けるとともに、地元住民の話を聞いた熊谷知事は「この路線は、皆さんにとって本当に重要な生命線。災害があったときは、こういった地域を思い浮かべた状態で対策していかなければならない」と引き締めた。

石井宏子・君津市長は、県による補助に謝意を表するとともに「市内には72の孤立集落がある。まだまだ対策しなければならないところが残っている」と述べた。

石倉危機管理監は、大戸見西部集落における対策を採択したことについて「土砂崩落、孤立の可能性が高いことに加え、地元から強い要望があった」と説明した。

宇藤木集落では、宇藤木集会場を訪れ、災害時の孤立に備えて整備した備蓄品などの状況を確認した。

両集落の視察を終え、記者団の取材に応じた熊谷知事は「富津市や君津市が県の補助制度を積極的に活用し、それぞれの集落などでさまざまな対策をしていることは知っていたため、具体的にどのような形で活用されているか、どういった状況かを実地で確認した。災害があったときに孤立し、かつ支援が届くまで少なくとも数日はかかる場所が多いことがよく分かった」と説明。

続けて「富津市と君津市だけでなく、それぞれの市町村に制度を活用していただき、できるだけ早めに対策してもらわなければならない。崖に対する対策、発電機の購入、ヘリポートの整備など、地域に応じた対策に使ってほしい」との考えを示した。

県内の孤立可能性集落は、富津市84集落、君津市72集落、勝浦市61集落を含む532集落(24年3月調査)。

孤立集落対策緊急支援補助金の制度は、26年度までの3か年を予定。24年度は、17自治体・251集落で補助金を活用した対策が行われた。25年度は、9月末時点で16自治体・163集落が補助金の活用を要望している。

安達亮二・県防災危機管理部危機管理政策課主幹(兼)地域防災支援室長は「孤立可能性集落以外にも、潜在的に孤立の可能性を有している集落があると考えており、27年度以降も対策を推進していかなければならない」との考えを示した。times