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西日本建設新聞社
2025/10/22

【熊本】復興係数の継続など要望 熊建協と九州地整が意見交換

 熊本県建設業協会(前川浩志会長)は16日、九州地方整備局と意見交換会を開き、県内建設業界が直面している課題を議論した。協会は、8月の記録的大雨からの早期復旧・復興のため、復興係数・復興歩掛の継続を要望。熱中症対策への対応による現場の窮状も訴え、歩掛や現場管理費等の見直しも求めた。
 ザ・フォレストテラス熊本であり、協会から会長、副会長、支部・部会長、委員長、九州地整から青野正志企画部長、長瀬洋裕建政部長、西尾達司営繕部長、県内関係事務所長、県土木部から菰田武志土木部長、熊本市から鮫島裕和契約監理部長らが出席した。
 前川会長(八方建設)は、8月の大雨について、九州地整の早期復旧支援に感謝した上で、「熊本地震以降適用していただいている復興係数・復興歩掛の継続を強く求める」と強調した。人材の確保・育成、業界のイメージアップについても、「我々の取り組みだけでは進まない。行政と一体となって取り組む必要がある」と協力を仰いだ。
 青野部長は「これまで以上に話を聞きながら一つ一つの課題に取り組んでいきたい」と話した。
 非公開で行われた意見交換で、協会は、▽熱中症対策▽技能者以外の労務費の引き上げ▽完全週休2日制導入に伴う労務費等の割増▽現場条件、施工規模に応じた適正な歩掛の設定▽復興係数の継続―の五つのテーマを提示した。
 会議資料によると、協会は、6月の労働安全衛生規則の改正により義務化された、熱中症の重篤化防止対策について、建設現場で生じている問題を説明。猛暑が続くと作業効率が低下し、休憩場の設備等にも経費が掛かるとして、歩掛や共通仮設費、現場管理費等の見直しを求めた。これに対し九州地整は、作業効率の低下は認識しており、本省にも夏季期間の作業の実情を報告しているなどと回答した。
 完全週休2日制の導入では、雨天休業と両立するためには、現状の補正措置は不足していると指摘した。更に、実施には機械経費への補正も必要との考えを示し、来年度は実状を踏まえた補正をあらためて検討するよう提案した。九州地整は、毎年、実態を調査した上で補正係数等を設定しているとし、調査依頼があった場合は、適切に実態を記載するよう協力を願い出た。
 8月の大雨災害を受け、工事の不調不落を起こさないために、復興係数の継続も求めた。九州地整からは、県内直轄工事を対象とした施工形態動向調査や諸経費動向調査等の結果に基づき、毎年度、継続の有無を検討しているなどの回答があった。
 このほかのテーマとして、九州地整から、▽担い手確保▽発注者の働き方改革▽夏場の働き方―の三つが示された。担い手確保へ協会と連携して取り組めることや、猛暑等の環境下で、標準歩掛の日当たり作業量と実作業量に、どの程度の相違があるかなどを話し合った。

提供:西日本建設新聞社
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