北海道建設新聞社
2025/10/23
【北海道】丘珠空港滑走路延伸は北西・南東に各150m/開発局が整備案
北海道開発局は14日、丘珠空港の機能強化に関する札幌市などとの初回の協議会で、現在の滑走路を北西・南東にそれぞれ150m延伸する整備案を示した。併せて滑走路端安全区域(RESA)を90mずつ拡張する想定。事業期間に3−4年、事業費に約160億円をみている。
丘珠空港の滑走路を巡っては、札幌市が2022年度にまとめた空港の将来イメージで延伸案を提示。30年の供用開始を目指し、北西に200m、南東に100m程度を整備する構想を掲げていた。開発局は各150mの延伸を対案と位置付け、計画の早い段階から地域住民の意見を集めるパブリックインボルブメント(PI)を実践するため14日の協議会初会合で説明した。
開発局は各150m延伸案が比較優位にあると指摘。冬季の運航制約緩和や安全・防災支援機能確保といった整備効果は同等だが、丘珠川、烈々布北支線3号線などの河川・道路で切り回しが不要になるメリットを挙げた。
RESAに関しては、北西、南東にそれぞれ90m拡張し、航空機がオーバーランなどを起こしにくい環境を整えるとした。
事業期間は札幌市案より2年程度短くなると見込む。事業費を20億円ほど抑えられる利点も示した。
協議会には佐々木純港湾空港部長や札幌市の天野周治副市長ら関係行政機関の幹部6人が出席。これら2案を機能強化計画書案に盛り込み、有識者らで構成する15日のPI評価委員会に諮る方針を決めた。
評価委員会での了承が得られ次第、PIの活動を11月中旬にも開始する。周辺住民らの意見を踏まえ、26年3月下旬までに整備内容を1案に絞って施設計画をまとめる予定だ。
開発局港湾空港部の齋藤輝彦空港・防災課長は、「空港緑地内で収まる整備内容。スピード感を持ってPI活動、施設計画策定を進めたい」と述べた。