第8回砺波市新庁舎整備検討委員会(委員長=大西宏治富山大学人文学部長)は市役所で開き、基本計画案を了承し、大西委員長から夏野修市長に提言と合わせて提出された。
提言には、新庁舎はシンプルなデザインとし、ライフサイクルコストの低減に努めることなどが盛り込まれた。基本計画案はパブリックコメントを経て、12月上旬に基本計画として公表される。
協議では、事務局から9月の前回委員会まで精査中としていた概算事業費が合計86億8000万円と示された。内訳は建設工事費(本体、既存施設解体)76億円、設計・監理費(地盤調査、基本設計、コンストラクション・マネジメント委託)1億5000万円、什器・備品・移転費3億3000万円、敷地購入費6億円。財源として積立金24億9000万円などを充てる。
基本計画案によると、事業手法は基本設計先行型デザインビルド(DB)方式を選定。基本設計を先行させた上で、実施設計と建設工事が一括発注される。設計の品質確保やコスト管理を効率的に行うためコンストラクション・マネジメントを別途、業務委託する。
事業スケジュールについては、2030年度の供用開始に変更はないが、一部前回から変更された。基本計画の策定後、今年度末までに基本設計の事業者を選定し、26、27年度に進められる。27年度に施工業者が選定され、28年度にかけて実施設計を進め、同年度に着工する。工事は30年度までの3カ年となる。
新庁舎の構造方式については、免震構造(庁舎部分)が採用される。整備面積は約7100平方メートルで、内訳は庁舎が3階建て約5500平方メートル、別棟となる保健センターが約540平方メートル、車庫が約600平方メートル、書庫・倉庫が約440平方メートルと算定した。
建設場所は高道44―2の富山県花総合センター(県有地)の敷地。敷地面積は約2万7000平方メートル。建物は敷地北側に配置され、建物周囲は1・2メートル程度の地盤嵩上げにより、浸水リスクを低減する。駐車場は南側にまとめる。
委員会の終了後報道陣の取材に応じた夏野市長は、基本設計先行型DB方式について「基本設計がきっちり固まれば、途中での変更がなく、動き出したら早い」と利点を説明。コストについては「機能を絞ってコンパクトサイズにし、できる範囲でコスト削減ができている」と述べた。
支援業務は、みかんぐみ(横浜市)が担当。