さいたま市は新庁舎整備事業者の2026年度選定開始を目指し、基本設計素案の中間とりまとめを行う。現庁舎を新都心エリア(さいたま市大宮区北区袋町1−603−1ほか)に移転整備する計画。月末にも基本設計素案、11月ごろ現庁舎利活用計画骨子素案のパブリックコメントを開始し、意見を反映させた上でそれぞれ年度末にも計画をまとめる見通しだ。
新庁舎整備は基本設計先行型DB方式とする予定で、基本設計をアールアイエー・環境デザイン研究所設計JVが策定している。今後は建設市況の動向についてサウンディング調査を行い、事業手法の確実性などを確認しつつ、26年度に事業者選定を開始する流れが最短の工程。27〜30年度を実施設計・建設期間に充て、31年度の移転・供用を目指している。
10月時点で基本設計の中間とりまとめを行っており、まちづくり委員会に現状の方針を報告。さらに月末からパブリックコメントを行うことで市民意見を集約する考え。
新庁舎は敷地内に行政棟・議会棟・中広場棟と階段広場、外広場を整備しつつ、さらに民間事業者が主体となって民間機能を導入する計画。公共施設部分に関しては、施設規模でみるとS造地下1階地上18階建て、延べ床面積約6万40000uを確保する格好だ。
中間とりまとめによれば、行政棟は主に▽地下1〜2階=駐車場▽1〜2階=防災センター・エントランス▽2〜4階=市民利用スペース▽5階=機械室――を置く。執務空間は多様な働き方に対応したユニバーサルレイアウトを採用し、4階と6〜17階に配置。18階には全周を見渡せる展望施設を導入する。
庁舎に加えて、中広場・外広場・階段広場で構成する市民広場を設ける。中広場は天候に左右されず利用できる屋内広場となり、大型映像設備や移動観覧席を設けることで市の顔となる空間を確保する。
階段広場は地上とデッキをつなぐ多機能階段として、キッチンカーを入れるなど中広場との一体的利用ができる場所とするイメージ。外広場については屋根付き回廊に囲まれたエントランス広場とする計画で、芝生広場を中心に庁舎利用者の憩いの広場を設ける方針。
中間とりまとめ時点での総事業費は約700億円(調査・設計費=25億円、外構含む本体工事=約640億円、移転費=約35億円)とする試算。基本設計完成後の26年7月時点での事業費を算出すると約750億円以上に上昇する可能性もあるため、コスト抑制も含めて設計の検討を深める。
民間機能に関しては「オフィス」「商業店舗」「宿泊施設」などを基本に検討しており、本年度内に公募条件などを具体化、26年度から公募開始・事業者選定手続きを進める予定だ。
提供:埼玉建設新聞