全国道路利用者会議の第75回全国大会が23日、福井市西木田2丁目の福井商工会議所で開催され、全国から750人が参加し、道路は経済で福祉、生活そのものである重要性を再確認した。
まず佐藤信秋会長が、大会の意義と重要性を交えて挨拶。来賓挨拶は、国土交通大臣代理の石和田道路局次長ほか、福井県の杉本達治知事代理の鷲頭美央副知事や、地元選出の国会議員らも歓迎の挨拶。国土強靭化の観点から、高規格道路の整備やミッシングリンクの解消、4車線化、代替性の確保など、待ったなしの状況を指摘した。
意見発表は、石山志保大野市長が述べ、中部縦貫自動車道の役割の大きさなどを主張。「全国では、まだまだ課題が山積し、国土強靭化施策をこれまで以上にスピード感を持ち、加速度的に進めていかねばいけない」などとアピールした。
また道路ネットワークの強化を一層推し進める決議も採択。役員の一部改選を了承した。なお、次期第76回の全国大会の開催地は香川県とした。
決議文
次の項目5つを、計画的かつ着実に実現すること
◆厳しい国際競争の中、日本全体の経済の活力を取り戻すため、我が国の生産性を向上させ、国内投資拡大につながる道路ネットワークの強化を図ること
◆国土強靭化実施中期計画を踏まえた関係予算について、今後の人件費等の高騰等の影響を適切に反映した必要な予算・財源を通常道路予算とは別枠で満額確保すること
◆安心して道路空間を利用できるよう、安全な走行空間の確保に向け、計画的な老朽化対策を推進すること
◆経済活動の生産性向上やカーボンニュートラル推進を図るため、利用者目線での渋滞対策の実施、道の駅などの休憩施設の機能強化、中継物流拠点の整備および交通結節機能の強化を推進すること
◆高速道路料金について、利用に応じた料金制度としつつ、事業者向け割引を継続すること
※これらの項目を踏まえ、資材価格などの上昇に対応する中でも、山積する道路整備の課題に対応しながら計画的かつ長期安定的な道路整備・管理が進められるよう、新たな財源の創設などにより、令和8年度の道路関係予算は、所要額を満額確保すること。また、道路施策の推進のため、令和7年度補正予算を速やかに編成することを要望。
人が滞在する空間/住民参加の道づくり
講演会は、福井工業大学の三寺潤教授が講師を務め、「人が滞在する空間としての場の創造〜路面デザインによる住民参加の道づくり」をテーマに設定。住宅地内の生活道路は、自動車優先ではなく、人が優先される道路空間。路面装飾(路面デザイン)の事例紹介もし「全国や世界各地で、お金をかけなくても可能性はいろいろ。道を楽しく」などと話しかけた。