本格的な降雪期を前に北陸地方整備局富山河川国道事務所は27日、富山市中島地内の富山除雪ステーション構内で2025年度「除雪出動式」を開いた。出席した除雪請負業者と国土交通省職員約50人が、除雪作業における安全の確保と冬期の道路交通を確保する決意を新たにした。
式では、道路雪害対策富山支部長の中谷洋明富山河川国道事務所長があいさつし、「当事務所では、11月1日から道路雪害対策富山支部を設置し、事務所が管理する国道8号、41号、156号、160号、470号の5路線、総延長約217キロについて、冬期の道路交通を確保する。国土交通省では、大規模な立ち往生を防ぐ対策として、雪でスタックする車両での外出をリスケし、移動手段や移動時間帯、移動経路を変更していただくようお願いをする広報活動を実施した上で、やむを得ない通行止めの措置を実施し、集中的な除雪作業により、積雪後の早期の道路交通の再開が図れるよう取り組みを進めている。関係機関と連携、情報共有を図り、道路利用者には、迅速・的確な情報を発信していきたい」と述べた。
さらに、「除雪作業を担っていただく皆様には、平常での除雪作業に加えて、予測とは大きく異なる量と性質の雪などに伴う対応もお願いする。道路利用者の安全確保のため、皆様には冬期における道路交通確保のための対応にお世話になる。除雪作業は夜間、休日を含めて難しい気象条件での業務となる。作業に関わる皆様ご自身と、ご家族の健康と安全への備えを改めて祈念したい」と話した。
決意表明では除雪作業の請負業者を代表し、石黒建設の齊藤泰輔代表取締役社長が、「富山河川国道事務所様の指示の下、100万余の県民の生活を守るために除雪に全力を尽くす。長期にわたる除雪だが、全社心を合わせ、安全第一で無事故無災害を念頭に、無事に春を迎えられるべく作業に徹することをここに誓う」と宣言した。
中山千織高岡国道維持出張所長の発声で、オペレーターが除雪車の始動点検に取り組んだ。
その後、奥田北小学校1年生64人が参加した「体験学習会」も行われた。除雪車の種類や役割を紹介した後、児童は4班に分かれ、除雪グレーダを試乗したほか、各除雪車の仕組みなどを楽しく学んだ。
今年度の除雪態勢として、除雪トラックを新たに1台増やしたほか、2台の更新を図り、除雪車総数を87台(車道用63台、歩道用24台)とした。道路管理用カメラも6カ所増加させ、計201基に増やした。
また、北陸地方整備局が情報発信する、新潟・富山・石川県の直轄国道と高速道路を対象した新たなスマートフォンアプリ「ほくりくふゆみち」は、11月下旬ごろから配信開始する予定。
各工区の除雪作業受注者は、入善が桜井建設、滑川がNIPPO、富山が朝日建設、片掛が宮口建設、小矢部が石黒建設、砺波が北陸ハイウェイ建設、高岡が氷見土建工業、能越が道路技術サービス。
なお、この日は、除雪出動式に先立ち、富山河川国道事務所の玄関前において、「道路雪害対策富山支部」の看板掲示式も行われた。