深谷市は、国道17号の深谷バイパスに沿って流れる大堀川に冠水対策の工事を進めている。近隣は一級河川が交わる地域で、以前から冠水被害が多かったという。最後となる上流部(同市矢島ほか)への改修工事に向けて詳細設計を2025年度中にまとめ、26年度以降に数年かけて発注していく見通しだ。
大堀川は、近隣の田畑の農業水路としても利用されている約3・1qの河川。土に直接掘られている「素掘り」の状態で、幅は数mほどある。
大雨時にも、流量を確保したり増やしたりするため、水路を改修する工事を手掛ける。コンクリートなどの構造物を入れることなどを検討している。崩れやすかった水路が維持しやすくなり、増水する恐れも低減できるという。
今回の対象とするのは上流部の長さ1340m。詳細設計はすでに渡測深谷支店(深谷市、電話048ー551ー6791)が担当し、26年2月6日までにまとめる。工法などの検討を進め、用地買収は行わない予定だ。
工事は26年度以降に一般競争入札で発注する見通し。数年ごとに工区分けして、単年度ごとに発注していく想定だ。
同市道路河川課は「順調にいけば、26年度から始められそうだ」としている。
大堀川は、同市を東西に貫く一級河川、福川に流れ込んでいる。この地域は、福川と、同市を南北に走る一級河川、唐沢川とが交差する地域で、以前から、大雨時にはたびたび冠水被害が生じてきたという。そのため、県が、福川調節池(同市上敷免ほか)を設置するなどの対策を取ってきた。
同市としても住民らの要望があり、被害軽減のため施策を進めてきた。18年度から24年度まで毎年、大堀川に施工を続け、福川に注ぎ込む流末部(160m)と、下流部(718m)にはコンクリート化を完了させた。
中流部(718m)には以前からコンクリート化の整備がされており、同市は、施工の必要ないと判断している。
今回、設計の対象とする上流部が完工すれば、大堀川への改修工事は完了する計画だ。
提供:埼玉建設新聞