北陸農政局は29日、国営かんがい排水事業「加治川用水地区」事業完工式を新発田市民文化会館で執り行った。
植野栄治局長をはじめ、加治川二期農業水利事業所の水間啓慈所長、国会議員や県、地元関係者ら約170人が出席し未来を築き、地域の発展につながることを祝った。
式では、植野局長が登壇し、「農業用水や経営の安定。営農を支え続け、農業水利施設が地域の共有財産として愛され、発展することを祈念する」と式辞を述べた。続いて、農林水産省農村振興局の青山健治次長が「維持向上と経営安定のため、ダムおよび頭首工、幹線用水路など改修した機能が十分発揮され、地域の特色を生かした農業に期待している」と、鈴木憲和農林水産大臣のあいさつを代読した。
来賓からは、新潟県の鈴木康之副知事が「農業用水が安定的に供給され、県としてもほ場整備やスマート農業を導入するなど経営基盤の安定を後押ししていく」と花角英世知事のメッセージを代読し、斎藤洋明衆議員は「国の財政措置は不可欠。基盤整備事業をしっかり進めていく」、地元選出の石井修県議は「日本の食糧基地として各種農業施設の推進に努める」と語った。加治川用水地区推進協議会で会長を務める二階堂馨新発田市長は「持続的な農業の発展、魅力ある地域となることを確信している」と喜びを語り、各関係機関に感謝の意を表した。
同事業は農業用水の安定供給と、効率的利用に十分に対応できていないことから、1964〜74年度にかけて実施された国営加治川土地改良事業(前歴事業)により34の井堰や取水口が2つの頭首工に統合。用水不足を補うための内の倉ダムが建設された。それらの施設が約40年が経過し、老朽化によって維持管理や労力が増大するなどから、2012年度に事業着手した。受益面積は新潟市28ヘクタール、新発田市5191ヘクタール、聖籠町902ヘクタール。総事業費は322億円。