北本市は文化センター大規模改修の基本設計をまとめ、実施設計へ取り掛かる。同施設は1984年に竣工してから大規模改修を実施したことがないため、今回の工事で外壁・屋上・舞台設備・空調など老朽化が進行している部分を改修する計画。おおむね2025年度内に設計をまとめ、26年度のPCB処分を経て工事契約締結、29年度にかけて施工する予定だ。
同施設の規模はRC造3階建て、総延べ床面積7768u。公民館・図書館・プラネタリウムのほか、レストランなどの機能を備える。
今回の改修では施設の目標使用年数を80年に設定し、老朽化した部分や不適格部分の改修、エネルギー利用の効率化などを図る。
現段階で想定する主な施工内容は▽外壁=アスベスト除去、外断熱工法の改修▽屋上防水=外断熱工法での防水改修▽大ホール・ホワイエ=特定天井対策(落下防球ネット設置)と座席の更新座席の更新▽ホワイエ=耐震天井化改修▽プラネタリウム=現設備を移動ができる光学式投影機とプロジェクターに更新、固定席の撤去――など。
さらに図書館は「本の森」をコンセプトに改修する計画。静かに本と向き合い、リラックスできる快適な環境に再整備する。具体的には既存コンクリート柱を樹木の幹に見立て、樹冠を想起させる意匠となるよう天井を円形上にくり抜く方針となっている。
電気設備の面では照明LED化、拡声設備・トイレ呼び出し設備・火災報知器・自家発電設備などの撤去・新設を実施。同施設は広域避難場所にも活用するため、停電時に施設の主要部分で照明が使えるよう改修する。
機械設備でみると、大便器の洋式化および消火設備・空調・換気設備などを実施。停電時に会議室で空調が使えるよう仕様を変更する見通し。
基本・実施設計は、第一建築設計事務所(川越市、電話049−243−0357)が担う。基本設計をまとめており、今後は実施設計に入る格好だ。施設は28年4月から長期休館する見通し。
提供:埼玉建設新聞