香川県と高松市は、高松商工会議所(綾田裕次郎会頭)から高松ウォーターフロントの再整備について提言を受けた。池田豊人知事は「提言のうちエリアマネジメントの項目について、できるだけ早く体制整備の素案を作成し、高松市と調整して経済界に相談をしていく」と述べた。
高松市の大西秀人市長は「日本一のウォーターフロントにするため、県と市が中心になり、今回の提言を元に具体化に向けて何らかの組織化も検討したい」と考えを伝えた。
高松商工会議所は昨年12月に「高松ウォーターフロントの再整備」と題した提言をしており、「グランドコンセプトの策定」「エリアマネジメントの体制整備」「アクセスの在り方」の3視点の重要性を伝えた。併せて、各エリアで再整備の実施時期が異なり、完成時期に差が生じる課題を指摘している。
これらを踏まえて、綾田会頭は「各エリアで地域特性や都市の規模を踏まえて、行政主導で三つの視点について検討・実施してほしい」と提言の要点を話した。
行政主体の背景に関して、「東京の丸の内や大阪の梅田でのまちづくりは、開発する不動産や施設が民間所有なので、民間企業による開発が行われている。一方、高松ウォーターフロントは香川県や高松市が所有しているため、行政の主導的関与は欠かせない」と説明した。
高松ウォーターフロントは西側が高松中央卸売市場、東側が高松市競輪場までの約4`となっている。グランドコンセプトの作成に当たって、これらのエリア全体を包含した計画を要望した。
エリアマネジメントの体制整備に当たっては、サンポート高松地区、市民プール跡地、北浜・玉藻公園を統合したエリアビジョンの策定を提言。先行して整備が進む高松中央卸売市場・高松競輪場とは異なるビジョンをまとめる必要性を伝えた。
組織体制については、官民の専従者がいるエリアマネジメント団体設立を提案。同事業は香川県と高松市の部局間で業務が交わるため、県と市から人材を派遣した体制づくりを求めた。
新たな団体はエリアビジョンや仕掛けづくりなどソフト面の事業を担う。ハード面やメンテナンスなどは県と市が担当する考えだ。
この他、アクセスに関しては浜街道を境に分断されるイメージを回避するため、プロムナード化の促進を提示。また、産業振興に向けた企業誘致推進も提言に盛り込んだ。
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建通新聞社