神奈川県警察本部は、警察本部庁舎のリニューアルに向けた基本計画を策定する。7月に公告した策定業務の一般競争入札が不調となったため、履行期間を前回より長く確保した上で12月ごろの再公告を予定する。基本構想を既にまとめており、まずは増築棟を建設して本部庁舎の地下にある電気・機械設備を移設、併せて庁舎の改修も段階的に実施していく方針。基本計画の策定の進捗によるが、増築棟の基本設計は2028年度ごろになりそうだ。
警察本部庁舎は施設の老朽化や職員数の増加によるフロアの狭隘(きょうあい)化が課題となっている。改修の方向性を検討するため基本構想をまとめたが、電気・機械設備の浸水対策としては新たに増築棟(エネルギー棟)を整備して移設する方向性を固めた。増築棟は敷地東側の駐車場に建設する予定で、受変電設備や空調設備、ボイラー、非常用発電機設備などをまとめる。条例などに準じた景観への配慮が求められるため、増築棟は海側の景観を遮らないように門型とし、3階以上に設備を配置する構想もある。基本計画をまとめた後、基本・実施設計に入る予定だ。
本部庁舎のリニューアルも並行して検討する。天井や床、壁などの内装、配管の改修、各課の配置の見直しなどを想定している。工事中はいくつかのフロアごとに仮庁舎または別の庁舎を活用して移転することになるため、移転先の調整により設計、工事のスケジュールが固まる。
基本計画策定業務の一般競争入札は応札者がなく不調となった。履行期間を12カ月と前回より長く確保した上で、再公告する予定だ。
県警本部庁舎の規模は、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造地上地下3階20階建て延べ5万8774平方b。1991年に竣工した。
所在地は横浜市中区海岸通2ノ4。
提供:建通新聞社