馳浩知事と金沢経済同友会との意見交換会が10月31日、金沢ニューグランドホテルで開かれ、馳知事は能登半島地震の影響により、棚上げ状態が続いている県西部緑地公園再整備について、来年度に現地測量、基本計画に着手する意向を示した。
再整備は産業展示館、県立野球場、公園の再配置の3つが柱で、優先順位について馳知事は県議会9月定例会において(1)産業展示館(2)県立野球場(3)公園の再配置―の順で取り組むことを表明していた。この日の意見交換で知事は西部緑地公園再整備について「着実に進めていく必要がある」と意欲を見せ、来年度に着手する基本計画には、▽各施設の具体の規模、内容▽スケジュール▽事業費▽整備手法―を盛り込むとした。
同友会側から日銀金沢支店跡地の利活用に関する県の関与の仕方について問われた知事は、他県における旧日銀支店跡地の活用事例として(1)旧京都支店(2)旧岡山支店(3)旧広島支店(4)旧松江支店の4つを提示。いずれも金庫室を活用しており、京都支店では喫茶店、岡山支店では1階をギャラリー、2階を音楽スタジオ、広島支店では常設展示室「近代広島の歩みと海外移民」、松江支店では貸館スペース(展示会、音楽会など)―としている。
金沢支店の金庫室は600平方メートルと他県の約3倍の広さあり、知事は「これを活用しない手はない」とし、改修のため2027年5月から休館となる金沢21世紀美術館に触れ、「賑わい創出対策として日銀跡地の活用は重要だ。金庫室や1階ホールはギャラリー、コンサート、カフェとしての利用が考えられるし、高さ4メートルある塀を取り払えば周辺との回遊性が高まる」とし、今月に開催予定の金沢市の金沢21世紀美術館まちなか賑わい創出検討会に出席する徳田博副知事が県の考え方を伝え、市との連携を図っていく考えを示した。