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建通新聞社四国
2025/11/04

【徳島】阿南〜徳島東の事業費200億増額

 国土交通省四国地方整備局の事業評価監視委員会は10月28日、2025年度第2回会合を開き、四国8の字ネットワークの一部を構成する徳島南部自動車道、阿南安芸自動車道、高知東部自動車道の事業再評価について一体的な重点審議を行った。このうち四国横断自動車道阿南四万十線「阿南〜徳島東」では、前年度の再評価時と比べ、全体事業費が200億円増加し、2245億円となると報告があった。事業期間も4年延び32年となるが、同局が「継続」としていた26年度以降の対応方針を妥当とした。
 事業費増加の主な要因は、橋梁架設に係る仮設費の増加、軟弱地盤対策の追加、周辺地域への環境対策追加などがある。
 橋梁架設に係る仮設費には56億円を増額する。津田大橋下部工で採用する仮桟橋について、当初はH鋼杭を想定していたが、長期設置による流下能力の低減対策として鋼管杭形式に変更する。
 軟弱地盤対策の追加には43億円を増額。徳島津田インターチェンジの南側区間にある籠、糠坪、三ツ谷の各地区で、地震動や液状化による盛土崩壊の可能性が判明したため、盛土法尻部への地盤改良(深層混合処理)の追加が生じた。
 周辺地域への環境対策追加には41億円を増額する。羽ノ浦トンネル掘削に伴い、施工時に当初想定されていなかった重金属(セレン)の溶出が確認されたことから、環境プラントによる排水処理や継続的な水質モニタリングの必要が生じた。
 この他、斜面対策による法面工の見直しに18億円、トンネル施工の騒音対策として必要な設備の追加に16億円、防草対策追加による道路管理に13億円、地すべり対策の追加に9億円をそれぞれ追加する。
 物価上昇による資機材や労務単価の増加にも対応する。増加額は、阿南〜徳島東が5億円、桑野道路と福井道路が各4億円、海部野根道路が13億円となる。
 委員会では、これらの要因により進捗が遅れる点についての懸念の声や、事業の効果を具体的にした方が良いのではないかという意見が上がったが、事業継続は妥当とした。

提供:建通新聞社