厚生労働省神奈川労働局は、外国人技能実習生、特定技能外国人を使用する事業場に対して行った立ち入り調査の状況をまとめた。労働基準監督署が監督指導した建設業の事業場は196件で、このうち労働基準法・労働安全衛生法の違反が見つかった事業場は166件。違反率は技能実習生が86・5%(133件のうち115件)、特定技能外国人が81%(63件のうち51件)と高い。
建設業で違反事項が多かったのは、外国人技能実習生が「割増賃金の支払い」の36件(27・1%)、「賃金の支払い」の32件(24・1%)、「健康診断結果の意見聴取」の30件(22・6%)の順。賃金関係では賃金控除の労使協定がないのに寄宿舎費用や昼食代を控除したり、手当の未参入、割増金の未払い、年5日の有給休暇の未取得などが見られ、これらは労働基準法24条の違反に当たる。
特定技能外国人で多かった違反事項は、「労働時間」の13件(20・6%)、「安全基準」と「時間把握」の12件(19%)など。安全関係では、高さ1・5b以上の場所では昇降設備の設置が義務づけられているにも関わらず、高さ1・8bの型枠工事で未設置の現場があったり、高さ2b以上の高所作業で墜落制止用器具の教育を受けていない事例が見られた。労働安全衛生法に違反しているため、改善を指導した。
県内全産業で監督指導した事業場は496件で、このうち388件で法令違反が認められた。特定技能外国人の監督指導の結果を発表したのは今回が初めて。
提供:建通新聞社