川崎市上下水道局は、川崎区内の浸水対策として入江崎統合幹線と大島系送水ポンプ棟の整備を計画している。維持管理・運営を含めた民間活力の導入を検討するため、PPPプラットフォーム意見交換会を実施した。意見交換会には16者が参加。DB方式や従来方式、ECI方式などを希望する意見が挙がった。
川崎区内では、浸水リスクの高い重点化地区として京町・渡田地区、大島地区、観音川地区の3地区を位置付けている。入江崎統合幹線や大島系送水ポンプ棟などの整備により、川崎区内の下水道管渠の老朽化対策と合わせて、一体的な浸水対策を実施する計画だ。
入江崎統合幹線は口径4500_で、延長は約5`。これに3地区から総延長約13`の雨水導水管を接続する。
入江崎統合幹線には汚水の遮集幹線を内挿し、京町ポンプ場、渡田ポンプ場、大島ポンプ場、観音川ポンプ場から収集した汚水を流す。汚水は入江崎水処理センター内に新設する「大島系送水ポンプ棟」で揚水し、同センターの水処理施設に送る。
事業スキームは、対象施設が管渠施設のみ、または管渠施設とポンプ場施設、事業手法が設計・建築のみと設計・建築・維持管理に分かれる。対象施設と事業手法の組み合わせ4パターンを検討しているが、意見交換会では入江崎統合幹線などの整備だけを担うスキームを希望する事業者が複数いた。事業手法については、DB方式、従来手法、ECI方式を挙げた事業者が多かった。
対象施設に大島系送水ポンプ棟まで含める場合、大規模工事になり工期が長くなることから、物価高騰や人員配置を懸念する声が上がった。DB方式などで管渠施設と大島系送水ポンプ棟をまとめる場合には「異業種JVの構築自体が事業参画の障壁になる」という意見もあった。
DB方式では、管渠の接続箇所の設計、維持管理性を考慮した配置、工期短縮やコスト削減が見込めるとの意見が複数あった。一方、入札参加のハードルの高さに対する指摘や、入札から設計期間までの物価上昇への配慮を求める声もあった。
「管渠施設と大島系送水ポンプ棟は分割し、従来方式で発注するほうがいい」という意見や「DB方式は不確定要素などのリスク分担が明確でなく、課題が予定価格に反映されないケースが多いため、ECI方式がいい」という要望もあった。
32年度までに入江崎統合幹線の暫定供用を開始することを目指している。従来手法を採用する場合、入江崎統合幹線は27〜34年度、雨水導水管線は31〜38年度、汚水遮集幹線は31〜33年度に工事する想定だ。
提供:建通新聞社