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建設経済新聞社
2025/11/20

【京都】八幡市 南ケ丘こども園の統合移転 設計はキノアーキテクツに RC造他2階建、延2119u

 八幡市は、八幡小松の市立中央小学校敷地内に南ケ丘保育園及び南ケ丘第二保育園の認定こども園化への統合移転を計画。(仮称)南ケ丘こども園整備事業基本・実施設計業務の公募型プロポーザルについて、受注候補者をキノアーキテクツ(東京都新宿区)に決定した。
 プロポーザルでは1次審査で5者に絞り込み、2次審査で最も高い評価点654・9点(700点満点)を獲得した同社を選定。次点者は無有建築工房−ジオ−グラフィック・デザイン・ラボ設計JVで、評価点は617・0点。
 評価講評によると「受注候補者の技術提案は、同整備事業を『子どもが主役のまちづくり』と位置づけ、将来的な整備を見据えながら、幼小連携を促進するための明快な計画を提示したもの。また、対話型の設計プロセスを基盤とし、設計段階での調整が可能な建築の骨格を示すことで、遊びと生活が調和する保育環境の実現を図ろうとする提案となっている」「配置計画としては、身体感覚に寄り添う街路を適切に計画することで、幼小連携を促進するための多様な居場所をつくり出すことを提案している。また、建物を北側に配置する場合でも南側に配置する場合でも成立する柔軟な計画の骨格が備わっており、その自立性の高い考え方が提案から読み取れたことも評価された。さらに、既存の保育園2園の形式を踏襲し、各保育室にテラスを介して直接外から入る構成や、歩車を明確に分離したシンプルな駐車場配置は、利便性と安全性を考慮したものとなっている点も特徴」「建物の計画としては、遊戯ホールを中心としたロの字型プランを採用し、明確なゾーニング、機能性、可変性を兼ね備えた提案となっている。ロの字型プランによる建物としての骨格は、基本設計期間中に具体的なニーズを受けながら調整して設計することが可能な提案となっており、対話型の設計プロセスを通じて発生する様々な要望を吸収し、設計を深化させる体制・手法が具体的に提案されている。業務工程については、各種検討部会やワークショップの適切な頻度での設定、コスト管理面からの概算スケジュール設定、申請関連から工事入札を見据えたスケジュール設定などが的確に提案されている。1階にRC造を採用することで、W造部分を後続の工程で施工することが可能となり、木材調達の時間的余裕を確保できる点など、全体の工程を最適化させる工夫も評価された」とした。
 令和3年10月に策定した八幡市立就学前施設再編の基本方針では、民間園を含む就学前施設全体の需給バランスに留意しつつ、小学校区単位で考え方を整理し、施設の再編を検討することとしている。中央小学校区については、公立保育園2園(南ケ丘保育園及び南ケ丘第二保育園)を再編し、幼保連携型認定こども園へ移行し八幡市立中央小学校敷地内への統合移転を進める方針。再編を検討する幼保連携型認定こども園と同一敷地内である利点を生かして、児童園児の幼小連携活動や教職員の相互交流・研修等を実施し、こども園と小学校との一体教育を実現する。
 同プロジェクトはCM方式を採用しており、発注者側のCM業務委託者として、日建設計コンストラクション・マネジメント(東京都文京区)が参画する。
 コンセプトは@対話型の設計プロセスA遊びと生活が調和する保育環境B幼小連携及び小学生の活動のための空間づくりC可変性のある空間設計DZEB化等の環境配慮E設計段階からのコストマネジメント。
 想定総事業費は約14億円で、うち工事費は約12億円(金額は全て税込)。
 今回委託する業務内容は、以下の工事の基本設計及び実施設計。新築工事は建築工事、電気設備工事、機械設備工事、昇降機設備工事、外構工事他、改修工事は既存施設の設備・外構等改修工事他。
 契約期間は令和9年3月31日まで。
 提案限度額は6660万円(税込)。
 技術提案書によると、施設の規模はRC造・W造2階建、延面積2119uで、敷地面積は2万0916u(小学校敷地全体)。“こどものまち”の公共的骨格整備計画として2園統合整備計画を作成。敷地を南北に貫く桜並木ロードを軸とし、その沿道に大小さまざまな屋内外の広場を点在させる構成を採用。これらの空間は多目的かつ柔軟に活用できる“公共的な骨格”として整備され、将来の保育・教育・地域利用など多様なニーズに応え、持続的に活用される場を形成する。
 幼少連携を促進する北側配置プランとして、園舎は小学校校舎・体育館と近接する敷地北側に配置する。最短の動線で幼少連携が促進され、インフラ面でも合理的で整備・維持管理のコストの面でも利点がある。
 小学校敷地全体を一体的に活用し、「こどものまち」として再構成する。園庭・グラウンド・中庭などを子どもたちが自由に往来できる多様な外遊び空間として整備する。
 遊戯ホールを中心に二重回廊をめぐらせた「口の字型」平面構成を採用。空間を閉じることなく、明確なゾーニングと機能的なつながり、空間の可変性を両立させる。「うちの回廊」には絵本コーナーや家型の秘密基地など保健室の枠を超えた多彩な遊び場を設け、2階の「そとの回廊」はテラス、園庭へとつながる屋外空間とする。
 プールは3〜5歳児の保育室に隣接した屋外テラスに設置する。水を抜くと園児や児童が自然に集まる「たまり場」としても活用でき、日常的な幼少連携のきっかけとなる空間を創出する。プールは車道側に面しているため、回廊の列柱間にカーテンや簾を設置できる構成とし、必要に応じた目隠しが可能な計画となっている。
 木材は京都府産材を使用。日常的に木の温もりに触れる、地域の森と子どもをつなぐ建築とする。設計段階で木育ワークショップを行い、森、建築、学び、更新の循環を築く。
 計画地は木津川流域に位置し、浸水想定区域に含まれるため、1階を強固なRC造、2階をW造として地域条件に応じた耐震性と軽量化を両立させる。W造部分の軽量化で、地震時の負担と基礎コストを抑え、また空間を有効活用するため大スパンを飛ばせる張弦梁を採用する。
 将来の施設更新の際には小学校新校舎を南側に建設し、その後既存校舎を解体してグラウンドにする。こども園が将来的に更新される際には東側に新園舎を建設後、西側を園庭化する段階的な再編が可能となっている。
 設計チームはこども園や公共施設での実績と専門知識を備えた建築・構造・設備・ランドスケープの技術者で構成。現地での意見収集やワークショップ、検討部会に対応し、共創型の「こどものまちづくり」を推進する体制を構築する。
 設計業務ではフロントローディング手法を取り入れ、基本設計段階から設計内容・コスト・整合性を先行的に検討。設計者・CM・発注者による継続的な打合せ体制のもとスムーズな進行を実現する。
 今後のスケジュールは、令和7年から8年度にかけて基本設計及び実施設計を行い、9年4月に一般競争入札で工事発注、7月に着工、10年8月末に竣工を予定し、12月の稼働を目指す。