野洲市は、災害時に緊急復旧活動や水防活動の拠点として、平常時には地域の活性化と賑わいを創出する場として計画する「野洲川MIZBE(みずべ)ステーション」の施設整備について、来年1〜2月頃に公募型プロポーザルを公告し、設計・施工一体型での事業者を募集・選定する予定だ。概算事業費は総額13億5000万円。内訳は設計960万円、工事12億5400万円(什器備品含まず)。今年12月補正予算案に債務負担行為(2026〜27年度〔令和8〜9年度〕)として盛り込んでいる。
野洲川MIZBEステーションの整備予定地は、野洲市市三宅地先の野洲川河川敷・北流側帯(A約11f)。滋賀県立高等専門学校(高専)の建設予定地が隣接する。土砂などの復旧用資材が備蓄され、資材の搬出入や緊急輸送時のヘリコプターの離着陸の場となるなど、洪水等の災害が発生した際には迅速な復旧に対応するための基地として機能。平常時には地域交流の拠点となり、屋内スペースやカフェ、広場など自然豊かな公共スペースを設ける。また、多様なイベントを通じて地元の特産品や文化を発信するなど、地域の活力を引き出す考え。
国土交通省と連携しながら取り組む。国交省は、堤防決壊など被災箇所の緊急復旧用資材の備蓄や盛土整正、親水護岸、駐車場(側帯)、管理用通路、ポンプ車・照明車の車庫、ヘリポート等を整備する。これまでに造成整備工事・基盤整備工事を近畿地方整備局琵琶湖河川事務所が発注した。施工は桑原組(高島市)。基盤整備に係る詳細設計等は八千代エンジニヤリング大阪支店(大阪市中央区)。
野洲市は、上面の利用による施設整備を進める。防災拠点としての役割を担いながら、日常は市民が集い「市民とともにつくる、人と自然の好循環を育む『学び』の拠点」として、それぞれの場の特性を活かしたエリアを配置する。内訳は▽水防センター▽水辺と森の学びエリア▽全天候型アーバンスポーツエリア▽スポーツ・賑わいグラウンドエリア▽緑と土の体験学習エリア▽環境保全・共生エリア(高専敷地を含む)―の6エリア。
「水防センター」は、野洲川MIZBEステーションの主要施設。交流や学びの場として賑わいを創出するとともに、水防時の活動拠点や備蓄機能を担う。フロア構成案は▽水防司令室〔災害時〕/常駐管理室〔平常時〕=20平方b(MIZBEステーション全体の管理、受付、インフォメーションなど)▽水防資機材〔災害時〕=15平方b▽備蓄庫〔災害時〕=35平方b▽水防団待機室〔災害時〕/多目的・飲食スペース〔平常時〕=80平方b(MIZBEステーション利用者が自由に集えるスペース。地域の活動やイベントの会場、持ち込みを含む飲食の場)▽一時避難場所〔災害時〕/会議室・活動室〔平常時〕=120平方b(貸会議室。可動式壁を採用するなどして、様々な用途に対応する)▽炊き出し〔災害時〕/カフェスペース〔平常時〕=10〜30平方b程度(テイクアウト形式)▽男性トイレ〔災害時/平常時〕=17平方b▽多目的トイレ〔災害時/平常時〕=10平方b▽女性トイレ〔災害時/平常時〕=17平方b▽授乳室〔災害時/平常時〕=7平方b▽倉庫〔平常時〕=24平方b(芝刈り機や掃除用具、テントなどのイベント用品等を収納)▽什器倉庫〔平常時〕=20平方b(室内用の長机やイスを収納)▽屋根下活動スペース〔平常時〕=130平方b(「多目的・飲食スペース」との一体利用や雨天時の一時避難場所として利用。小中学校2クラス分程度の人数が利用できる広さを確保)―。同ステーションの拠点施設としてデザイン性のある外観。地域活動など様々な利用目的に対応するフレキシブルな構造とする。
「水辺と森の学びエリア」の整備内容は▽水辺広場(堤内緑地)=6030平方b(既存樹林と河川敷を接続する緑地空間。河川空間ならではの活動の場)▽水辺広場(高水敷)=7744平方b(芝生範囲6733平方b)(イベントやBBQに利用できたり、地域交流の活性化や野洲川の親水性を高める活動の場)▽駐車場(高水敷)=7930平方b(芝生広場でのイベントや水辺レクリエーションの利便性の向上を図る)―。両広場とも芝生。駐車場(高水敷)はアスファルト舗装とする。既存樹林から河川までを一体的に利用できる空間整備を行う。水辺広場(高水敷広場)には河川にアクセスしやすいよう舗装された歩行者通路を設ける。
「全天候型アーバンスポーツエリア」は、大屋根がある全天候型のアーバンスポーツ広場(4930平方b)。スケートボードや3×3バスケットなどのスポーツが日常的に楽しめる。天候に左右されないイベント等の開催にも利用。整備内容は▽大屋根(33・2b×50b〔1660平方b〕)▽アスファルト舗装▽スケートボードセクション▽バスケットボールコート(3×3コート2面)▽管理棟▽外周フェンス▽歩行者通路―。スポーツ設備は移動式とする。大屋根は雨や雪を防ぎつつ、自然光を取り込める構造。水辺広場との間に歩行者通路を設け、安全に利用できる導線を確保する。
「スポーツ・賑わいグラウンドエリア」は、400bトラックとフットサルコート4面分程度の広さを有するグラウンド(3万1090平方b)。照明を整備し、夜間の利用も可能。高専の体育授業でも利用する。整備内容は▽張芝▽照明灯▽外周フェンス―。グラウンド全面を芝生とする(備蓄土砂として利用するため、アスファルト舗装や排水施設は整備しない)。照明は近隣住宅地に対する光害対策を行う。サッカー等の球技にも利用できるよう外周フェンスを設ける。
「緑と土の体験学習エリア」は、自転車練習場兼土木研修広場(1万4750平方b)。既存のミニ三上山を再現し、登頂すると野洲川の景観を眺望できる。自転車練習場兼土木研修場は、広い空間で自由に走り回れる広場。自転車練習や、イベント活用など自由に利用できる。備蓄土砂を活用した、重機類の操縦研修にも利用。ミニ三上山の周辺(広場部1万0820平方b)を地被植物播種とする(ミニ三上山は国交省による造成および張芝を実施)。エリア南側(3930平方b)は、未舗装のままとする(国交省による造成のみ)。
「環境保全・共生エリア(高専敷地を含む)」は、既存森林(6760平方b)。高専と連携しながら、保全・共生の活動や環境学習、憩いの場とする。森の維持管理・利用のための水栓・電源設備、安全な遊歩道・散策路など。
今後の主なスケジュールは▽12月=事業者募集の公告に向けた予算確保(26〜27年度〔令和8〜9年度〕債務負担)▽26年(令和8年)1〜2月=公募型プロポーザルの公告▽3〜5月=優先交渉権者決定・協議▽5〜6月=事業者との契約締結―。
27年度(令和9年度)末の完成を予定。高専の開校予定と同時期の28年(令和10年)4月のオープンを目指す。
官民連携支援業務(MIZBEステーション事業を実施する民間事業者の募集・選定の支援等)は、三井共同建設コンサルタント・ワイキューブラボ共同企業体。
提供:滋賀産業新聞