秋田市議会11月定例会の一般質問で9日、新スタジアムに関する質問が行われた。沼谷純市長は、設計費などの関連経費や物価上昇分を加味した概算事業費について、新設の場合は5,000人規模で約142億円、7,000〜8,000人規模で約193億円、10,000人規模で約199億円となる試算を明らかにした。市の厳しい財政状況を踏まえ、市が単独で事業主体になるのは極めて困難との認識を改めて示し、新設での整備の可否を県やブラウブリッツ秋田と協議していくと述べた。
市長は再質問で、「2031年8月の供用開始に影響はあるか」との質問に対し、「2031年に間に合わせる前提で考えると、8年度から設計等々に入っていかなければならないというスケジュールが想定される。それに向けて3者で協議していく」と答弁した一方で、「(新設による整備が)できるかできないかをしっかり協議したい」とも述べた。
市が行った新設とASPスタジアム改修の比較検討では、最大約9,000席程度のスタジアムに改修できることが判明。一方、設計費などの関連経費や物価上昇分を加味した改修の整備費用は5,000人で約139億円、7,000〜8,000人で約195億円、10,000人で約201億円となり、新設とほぼ変わらなかった。11月28日の市議会本会議では、改修の選択肢を除外する考えを明らかにしている。
仮に5,000人規模のスタジアムを新設する場合、県とブラウブリッツ秋田の負担なしで市が単独で整備を進めるとなると、一般財源ベースでは建設中に年間4〜8億円、建設後15年は維持管理費と公債費で毎年約5億円の負担増になると試算。基金への積み立て・積み戻し額よりもスタジアムの維持管理費や公債費支出額が上回るため、収支不足が拡大して基金残高の回復が見込めない予測となっている。
国からの交付金などは、事業主体が実際に負担する事業費を対象として算定されると想定される。市が事業主体となった場合、仮に県、ブラウブリッツ秋田が3分の1ずつを負担しても、結果的に国の交付金等が現在の想定よりも減額され、市の財政負担が増大する可能性もあるとして、市長は「本市が単独で事業主体になることは極めて困難。民設民営や県市連携なども含め、県やブラウブリッツ秋田と協議していく」と述べた。
また、維持管理費については、令和6年にブラウブリッツ秋田が作成した「新スタジアム整備計画」の試算で約3億円と見込まれていたが、公設の場合は固定資産税や土地使用料が生じないため、5,000人規模の新設では芝生管理などの維持管理費は年間約1億円と試算。一方、収入ではこれまでのソユースタジアムにおける貸出収入などの実績を基に試算すると、年間約3,000万円程度であり、差額の約7,000万円を何らかの方法で補填・捻出する必要があるという。市長は「本市がASPスタジアムに加えて新たなスタジアムの維持管理費も負担していくことは現時点で考えていない」と答弁している。
一般質問では議員から、中止や凍結などの選択肢、住民投票実施の考えについて質問があり、市長は「是非や中止、凍結は本市だけで判断するべきものではなく、あくまで3者協議の中で結論を得ていくべきものと考えており、秋田市民のみを対象とした住民投票は現時点で想定していない」と答弁。整備手法については今後の3者協議の中で整理されていくとの考えを示した。
提供:秋田建設工業新聞社