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北海道建設新聞社
2025/12/10

【北海道】日胆管内中心に避難車両で渋滞/青森県東方沖地震

 8日午後11時15分ごろ、青森県東方沖を震源とする地震が発生し、道内では函館市で震度5強、苫小牧市などで震度5弱などを記録した。太平洋沿岸で津波警報・注意報が発令されると、胆振、日高管内を中心に避難する車両が交通渋滞が引き起こした。7月30日のカムチャツカ半島沖地震の際も高台を目指す車で混雑した背景がある。今回は地震直後の津波警報とあって恐怖心から台数が増えた側面があり、平時からの避難への意識や防災インフラ整備の必要性が浮き彫りとなった。(青森県東方沖地震取材班、関連記事3、4、10面に)
 津波警報が出た日高管内では、カムチャツカ半島沖地震の時よりも交通渋滞が目立った。新冠町の担当者は「深夜帯に加えて寒さも影響した」と分析。新ひだか町でも車で避難する町民が目立った。
 特に様似、えりも両町は主要ルートが国道336号のみで、大西正紀えりも町長と荒木輝明様似町長は新たな道路網の構築を訴えてきた。近年は大雨による土砂崩れで通行止めになることも多く、今回の地震から一層の危機感を募らせる。
 苫小牧市でも高台の緑ケ丘公園などを目指す車で渋滞が発生した。市危機管理室は「比較的安全な北側に暮らす人も高台を目指している可能性があった」と指摘。「津波浸水区域では周知徹底も必要だ」と訴える。
 国道235号日高町厚賀−新冠町高江(10・7q)や函館新道函館IC−七飯藤城IC(11・4q)などは通行止めとなった。いずれも9日午前4時35分までに解除となったが、移動手段の制限は地元住民に不安を与える。
 各自治体は、徒歩避難の呼び掛けを強化する姿勢だ。ただカムチャツカ半島沖地震とは違い、日高管内で渋滞が目立った背景には実際に揺れた≠アとが大きく影響したようだ。時間帯や震度によって住民の受け取り方が変わり、徒歩避難の呼び掛けも限界がある。
 防災士でもある渡辺建設(本社・函館)の吉野正勝常務は「渡島は今回、注意報だったためカムチャツカ半島沖地震の時ほどの警戒ではなかった。ただ平時から避難の準備とルートの確認が必要だ」と強調する。
 裏を返せば、それだけ避難意識が高まっているとも受け取れる。釧路市では高齢者を中心に約25人が市防災庁舎に集まり、深夜2時過ぎに帰宅した。市防災危機管理課の島田勇気避難対策調整主幹は、深夜の津波注意報の発令は警報との区別が難しかったのではと示唆。焦りを伴う避難は思わぬけがを招く。「正しく恐れることも大切だ」と冷静な対処を求める。
 十勝管内では、広尾町の避難所2カ所に計59人が逃げ込んだ。浦幌町役場の河上彰管財防災係長は「特段の混乱はなかった。各自判断で車移動をしたり、公民館などに待避していた」とみる。
 業者も対応に追われた。菱中建設(本社・札幌)は、社員の安否確認と9日の朝に各現場を点検して被害はなかった。菅原組(同・函館)の菅原峻常務は「地震発生時は自宅にいて、垂直避難をした。大きめで長い地震だったため不安だった」と吐露。現場には地震と津波に関する情報を入手できる環境づくりを呼び掛けている。
 気象庁は9日、後発地震注意情報を発表。鈴木直道知事は「揺れを感じたらすぐに避難できる態勢」を要請した。